最近は知的財産権への関心の高まりから、小さな会社や個人レベルでも「知財のリスクマネジメント」を考慮するようになっているようです。

 

たとえば、私のメルマガにご登録くださっている読者の中には「ブログやSNSで他人の著作権を侵害しないように気をつけたいから」という理由で登録された方もいらっしゃいます。

 

その一方で、知財という言葉は聞いたことはあるけれど差し迫って必要性を感じないから放置しているという会社も多数あります。

 

知財を無視する主な理由には、以下の3つがあげられると思われます。

 

➀ 無知:そもそも知的財産権法を知らない。

 

➁ 無視:特許権法や著作権法など知的財産権に関する法律の存在は知っているがお金がかかりそうだし難しそうだから勉強する気がない。

 

➂ 過信:うちの会社に限って・・・と慢心しリスクに対して何も予防策を施さない。

 

この「無知・無視・過信」によって会社の知財リスクは飛躍的に高まってしまいます。

 

まず、➀の無知ですが、「法の無知はこれを許さず」とあります。これが知的財産権法の基本です。

 

したがって、たとえその特許権や商標権、意匠権の存在を知らなかったとしても、他者の知的財産権を侵害してしまった場合には、「侵害者」となってしまいます(なお、著作権に関しては「依拠」が要件なのでこの点他の知的財産権法とは異なります)。

 

次に➁の「無視」ですが、これは、人間は基本的に面倒なこと新しいことが嫌いなので、危険が目の前に現れないかぎり動こうとはしない性質から仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。

 

しかし、ビジネスをしている以上、知財を無視するという姿勢は得策ではありません。

 

目に見える物よりも価値のある知的財産を無視するということは、目の前に煌めくダイアモンドをガラスの破片と勘違いし、掃いて捨ててしまうようなものです。

 

もし社長が忙しすぎて知財を学んでいる時間がないのなら、社員の誰かに学んでもらえばいいのです。
知財部を創る余裕がないのなら、誰かを知財担当者に任命すればいいだけです。

 

外部のコンサルタントの力を借りることも出来ます。

 

休みなく手先を動かしているよりも、働く手を休めて頭を使った方がよほど効率的に稼げます。

 

最後に➂の「過信」ですが、これも心理学的に人間は「自分だけは大丈夫」と思ってしまう生き物なので、日夜ニュースで知財を無視したために起きた悲劇を見ているにもかかわらず、他人事として捉え、それを他山の石とすることが出来ていません。

 

 

世の中には絶対ということはありません。

 

「自分は絶対に死なない」と思っていても、人は必ず死にます。

 

「そのうちやるからいいや」と思っているほど知財リスクは高まります。

 

取り組み始めるのは早ければ早いほうがいいのです。

 

知財のリスクマネジメントに関心のある方は、今日からでも学び始めてください。

知財の知識