高畑勲監督が亡くなり、今週の金曜ロードショーでは「火垂るの墓」を追悼放送するそうです。

 

さて、「火垂るの墓」の中で節子が持っているドロップスが印象に残っている人も多いと思いますが、実は、このドロップスの商標については、佐久間(漢字の佐久間)製菓株式会社とサクマ(カタカナのサクマ)製菓株式会社の間で争いがありました。

 

「サクマ式ドロップス」の商標を最初に使い始めたのは、佐久間惣次郎商店(1920年に佐久間製菓株式會社となる)です。

 

同社の筆頭社員の横倉信之助氏が終戦後、佐久間製菓株式会社を創業し、再び「サクマ式ドロップス」の販売を始めます。

同じ年に、佐久間製菓株式會社廃業時の社長である山田弘隆氏の三男の山田隆重氏もサクマ式ドロップスの製造を開始し、翌年、サクマ製菓株式会社を創業します。

 

上述したように、そもそも「サクマ式ドロップス」の商標を最初に使い始め、有名にしたのは創業者の佐久間氏なのですが、「サクマ式ドロップス」の商標を巡って佐久間製菓株式会社とサクマ製菓株式会社の間で争いが起こりました。

 

そして、訴訟後、一度は佐久間製菓株式会社のものとなりましたが、現在では「サクマ式ドロップス」については両者で共有しています。

 

なお、最近では「火垂るの墓」の人気のため、佐久間製菓株式会社から、復刻版のサクマ式ドロップスが販売されています。

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ところで、私達は普段、サクマ製菓株式会社の商品を買うことのほうが多いかもしれません。

 

「いちごみるく」キャンディなんて有名ですよね。

いちごみるくのパッケージ j-platpatより
いちごみるくのパッケージ j-platpatより

「まあるくって、ちっちゃくて、さんかく」がキャッチフレーズです。

 

このいちごミルクはサクマ製菓株式会社の主力商品です。

そのため、商標を他人に真似されないように、「いちごみるく」について商標登録を受けているだけでなく、キーホルダーやタバコなどでも商標を取っています。

 

もちろん、これは、「いちごみるく」のタバコなんかを売ろうと考えているからではなく、他人に真似されるのを防ぐためにです。

 

 

なお、登録商標の問題があって「火垂るの墓」が再放送されないなんていう都市伝説がありますが、これは商標についてよく知らない人が広めたガセネタだと思われます。