秘密特許制度の導入

秘密特許を導入する法改正があるとのニュースを見ました。

秘密意匠ではないですよ。秘密特許です。
主要先進国では導入されているのですが、日本では敗戦を理由に昭和23年に廃止されてしまいました。

ところで、そもそも秘密特許とは何なのでしょう。

秘密特許とは、国家の安全性及び優位性を含む重要な技術開発がなされた場合、それに関わる特許出願の内容を一定期間秘密にする特許のことです。
昔は天皇が原爆に関する特許を持っていたなんて話を聞いたことがあるかもしれません。それが原因で、「長崎と広島に原爆を落としたのは日本国天皇」というトンデモ話も生まれました(ネタとして興味深いのでそのうち書いてみようと思いつつ書いていません)。

さて、日本の特許法は、発明内容の公開の代償として特許権という排他的独占権を付与する、公開代償が原則です。

しかし、かの吉藤氏は秘密特許制度は現行特許制度に合致していると主張していらっしゃいます。
「特許出願における発明の公開」とは、個人的秘密の状態を解き、発明の内容を政府に開示することであり、発明者が広く開示することの意ではなく、公表は政府の責務であるとしています。
発明者の義務は発明内容の政府への開示ですので、発明の利用は国家目的のために自由に行われる状態にあるからです。

というわけで、弁理士会は昔から秘密特許制度の再導入を訴え続けていました。
秘密特許制度導入に反対する企業も多いことから遅々として進まない議論でしたが、ようやく念願叶ったという感じですね。

特許は通常、出願から18カ月後に特許庁が公開しますが、日本はウラン濃縮技術の特許も公開しており、北朝鮮などの核開発に転用されるリスクもあります。
自国を危険に晒す特許技術を他国に公開するなんて、あまりにも馬鹿らしいです。

仮に秘密特許を導入する際は秘密技術の線引きは明確にする必要があります。恣意的に秘密特許とされれば他社との競争で不公平になるためです。

法改正に関してはまだまだ議論の余地がありそうですが、秘密特許制度が導入されることに関しては私は大賛成です。

なお、参考にするとしたら、諸外国の特許法でしょうね。いわゆる国際ハーモナイゼーションというやつですw

秘密意匠は参考にしないでしょう。だって、見ようと思えば見れちゃうし・・・あ、嘘です。見れません。ギャぁぁ・・・