連日コインチェックの巨額流出ニュースを見ますが、政府はサイバー攻撃対策を強化するために、ソフトウエア解析を合法化する著作権法の改正案を出すそうですね。

 

今頃かっ!と突っ込みたいところですが、慎重な国日本では大きな事件が起きてからでないとなかなか重い腰を上げないので仕方ないでしょう。

その重い腰のお陰で犯罪を未然に防ぐことができていましたから。
と同時にいろいろと不都合なことは起きていましたが。

 

たとえば、ウイニーの開発者である天才・金子勇氏を犯罪者にしてしまったり・・・。

私は当時弁理士試験の受験生で、ウイニーにはお世話になっていました。

 

結果として金子勇氏には無罪判決が下されましたが、アメリカにいればきっと天才として億万長者になれたはずの人が日本にいると犯罪者になってしまうなんて、日本の法律はおかしいと悲しく思ったものです。

 

まあ、難しいところではありますよね・・・。

 

法律をあまり厳しくしすぎて研究開発が進まないのも困る(特に外国に遅れをとってしまうと日本が経済的に困るというお金の問題は捨て置けない)し、だからといって法律を緩くし過ぎてやりたい放題にしてしまうのも大問題に発展してしまう恐れがあるし・・・。

 

お金の問題だけで済むことならともかく、人間の臓器を動物の体内で作ることが倫理的に許されるかという問題についてはなかなか「研究OK」のゴーサインなんて出せなくても仕方ありませんし・・・。

 

というかバイオ医薬品の開発が諸外国に比べ遅れているのは結局何が原因なのだろう・・・。

 

 

閑話休題。話を著作権法に戻します。

 

現行の著作権法では、ソフトウエアの複製や解析は用途が限定されているわけですが、著作権法の改正案では、用途を具体的に限定せず、セキュリティー対策など広範な目的で解析や複製ができるように条文を見直すようです。

しかし、権利者のビジネスに影響がないようにあまりにも広い用途で解析や複製ができないようにすることも必要です。

複製をすることによって他者のソフトウェアを利用して儲けるようなことをするのが合法化されてしまっては大変ですから。

なお、著作権法が改正されれば、既存ソフトウエアの解析は著作権法上、合法になるわけですが、著作権法が改正されるまでは違法になる可能性もあるのでご注意ください。