諜報と伝説の巻物と知的財産

山田先生「えー、土井先生が諜報活動中のため今日も引き続き私が一年い組の授業を受け持つ。さて、昨日勉強したところの復習からだ。忍術に関する三大伝書といったら何だ?乱太郎」
乱太郎「はい、先生。万川集海、正忍記、忍秘伝です!」
山田先生「よく出来たな。乱太郎らしくない。・・・はっ、まさか、忍びか・・・!?」

 

わけのわからない書き出しになってしまいましたが、本日は「諜報」について語ってみたいと思います。

2022年現在、我が家の小学生からの情報によると、『スパイファミリー』が流行っているそうです。諜報系の作品は面白いので漫画の題材として優れています。
日本の場合は諜報を担ったのは忍者ですね。忍者に関しては昔からたくさんの作品が作られてきました。
ハットリくん、さすがの猿飛、伊賀野カバ丸、あずみ、ナルト etc…。いくらでも挙げられます。あと漫画じゃないけど特撮モノのカクレンジャー(特にケイン・コスギのニンジャブラック)なんて良いですねぇ。海外だと忍者は諜報というよりも忍術という武術の使い手のイメージが強いらしいです。そのイメージを作ったのがケインコスギのお父さんのショー・コスギでしょう。
したがって、ニンジャというものは、その多くが虚構に基づくものです。

そもそも「忍者」という名称自体、昭和になってからようやく使われだした言葉です。昔は、らっぱとかすっぱと呼ばれていたみたいですよ。
忍術学園なんてなかったのですね。ああ・・・。

忍者って創作のせいでクールで格好いいイメージがありますが、実際の忍者は真逆だったそうです。なぜなら、諜報をするためには町人として馴染む必要があったため、目立つ外見であってはいけないからです。
細身のいけてるお兄ちゃんや目を引く美人よりも、小太りでニコニコしているおじさんやおばさん、ヨボヨボの老人のほうが諜報部員には向いているというわけです。

私も目立たぬ外見を利用して諜報部員になれるかもしれません。
そういえば、ライバル企業同士であるA社とB社の知財部にそれぞれ知人がいるのですが、彼らと頻繁に話をしています。特許出願前の発明についての情報を掴んだら株の売買をして儲けられそうです。うわーい。凄いぞ!

ところがこういうことをするとインサイダー取引の疑いをかけられてしまうんですね。
っていうか、昔、某社の株を買った直後に株が爆発的に上がったのでインサイダー取引の疑いをかけられたことがあったよ!(全然何も知らなかったのでセーフ)
まあ、こんなことがあったから知人のいる会社の株は買いません。

ちなみに上述したライバル企業知財部員たちについてですが、別に特許情報がほしくて付き合っているわけではありません。純粋に気が合うから無駄話をしているだけですので念の為・・・。あと、この2名は私が紹介したのでお互い面識があります。一方から受け取った情報をもう一方へこっそり流すようなこともしていません。そもそも、そんな怪しいことをしていたら、ブログになんて書けません。

 

さて、冒頭に忍術書について書きましたが、この奥義とか伝説の巻物と言われるようなものの中身は、別に大したことのない情報だったそうです。なぜかというと、「書き記してしまうと情報が漏れるから」。
また、文字だけだと伝わりにくいので絵も書かれていたそうです。
なんか特許明細書みたいね!?
敵に奪われた場合、敵を有利にしてしまうので、本当に重要なことは巻物に書き記さず、きっかけとなるようなことだけが書かれていたそうです。そして、本当に重要なことは口頭で代々語り継いでいくのだとか。

これは、現代でも特許戦略として使われている手法ですよね。
特許を取るために必要な情報は載せますが、重要なノウハウ部分は開示しない。
全ての分野でできることではありませんが、本当は情報は独占しておきたいのですからできるだけ隠そうとしたくなります。
特許はほしいけど、重要情報は開示したくないという人は、特許明細書ではなくて、自社だけに代々伝わる巻物を書くといいかもしれません。
コカ・コーラみたいに(?)

秘伝の技術の継承者になれるのは一人だけで、その一人になるには共に育った仲間や兄弟を倒さないといけないのかもしれません。
奥義を極める道は険しいのであった。
にんともかんとも。