アサヒ飲料さんのお茶入りコーヒー「TEA COFFEE」が、京都の食品会社「エーゲル」さんの商標権を侵害しているとして、訴訟を提起されています。
エーゲルさんは「消費者から『アサヒ飲料のまねをしている』と誤解される。大企業が弱者のブランドを踏みにじっている」と主張しています。
一方、アサヒ飲料さんは答弁書で「商品の原材料を示す表示にすぎず、商標権は侵害していない」と反論しています。
ネットを見渡すと既にアサヒ飲料を罵倒するコメントで溢れかえっています(^^;
「弱小メーカーをバカにしている。大手は酷い事するな」
「大手の傲慢。自分がやられたら目くじら立てるくせに」
「アサヒ飲料が悪い。言い訳するな」
etc…
さて、エーゲルさんとアサヒ飲料さんどちらの言い分が正しいのでしょうか。
私、福田の個人的見解としては、アサヒ飲料さんに分があると思います。
(ちなみにいつものことながら、私は中立的立場です。あくまでも法に基づいて判断しているだけです。ロッテリアにしろキリンラーメンにしろ・・・)
まず、エーゲルさんの「TeaCoffee」は2016年の6月に販売が開始され、同年12月に商標登録出願がされています。
一方、アサヒ飲料さんは2017年12月に「TeaCoffee」について商標登録出願を行っています。
ここで注目したいのが、エーゲルさんの登録商標は、この図に見られるように、図形の商標なんです。
一方、アサヒ飲料さんの出願している商標も図形の商標です。
文字商標とは違い、図形の商標の場合は「単に同じ称呼だからといって商標権侵害にはならない」のです。
ですから、今回はエーゲルさんの主張がおかしいということになります。
アサヒ飲料さんは弱小企業を踏みにじろうとしているわけではなくて、商標法に違反しない範囲内で経済活動を行っているだけです(それにアサヒ飲料さんには知財部がありますから、他社の商標権を侵害するような商品名でOKを出すわけがありません)。
もちろん、エーゲルさんの気持ちもわかります。
図形は異なっても同じ名前で商品を販売されてしまったら、先に販売を開始していても弱小企業は大手に飲まれてしまうと(お茶だけに・・・)。
ただ、そんなこと商標登録を受ける時点でわかっていたはずです。
もしそんな事態になるのが嫌だったら最初から「TeaCoffee」などという称呼で商標登録を受けるべきではなかったのです。
そんなわけで、今回はアサヒ飲料さんをあまり叩かないであげてほしいな、と思います。
それにしても今日も暑いですね。tea coffeeでも飲んでみましょうかね・・・w