ームをやっていると、なかなかレアアイテムが手に入らず、イライラすることも少なくありません。
そんなときに「ずる」や「裏技」が出来ると聞いたら、誰でもやりたくなってしまうでしょう。

たとえば、私はロマサガ2でなかなか竜槍ゲイボルグが手に入らないので、乱数調整という一種の裏技をしてアイテムドロップを狙おうとしたことがあります。

このような裏技を使うと、ゲームバランスが著しく崩れ、続きをやりたくなくなってしまいます。

実際、私は途中でゲームをやめました。

さて、わたしがやったこの「裏技」は犯罪なのでしょうか。また、ステータス値を大幅に変更するようなチートをさせるプログラムなどを作った人は犯罪者なのでしょうか。

「常識」で考えると犯罪とは思えませんが、法律ではどのように考えられているのでしょうか。

ここで、著作権の判例を見てみましょう。

三国志Ⅲ事件という、光栄(当時)がパソコンのゲーム「三国志Ⅲ」のゲームデータ改造ツールを販売した技術評論社を相手に著作権侵害訴訟を起こした事件があります。
技術評論社は、武将のパラメータを著しく高くできるプログラムを「三国志Ⅲ非公式ガイドブック」に付けて出版しました。
これに対し光栄は、「同一性保持権と翻案兼を侵害する」と主張しましたが認められませんでした。

控訴した光栄は、今度は上記主張に加え、「ゲームは映画の著作物である(だからステータスを改変することは著作権侵害である)」と主張しましたが、この訴えも退けられました。

というわけで、「個人がチートをする行為は合法」であると言えます。

雑誌やYouTubeで紹介されたチート(バグ、裏技も)の方法を自分で試してみることには何の違法性もありません。

・・・ですが、「ゲームでチートをしても必ず許される」と決めつけるのは早計です。

上記の三国志やロマサガのようなオフラインゲームとは違い、オンラインゲームでチートをすること及びチート代行をすることは違法となります。

なぜなら、自分だけでゲームをする場合と違い、オンラインで繋がっている状態でチートをすると、不特定多数の他のユーザーに迷惑をかけてしまうからです。
また、運営会社にも監視の手間をかけさせてしまいます。
さらに、チートをすることによりゲームバランスが崩れるとゲームへの情熱が薄れてしまい、つまらなくなりユーザーが離れてしまうこともあります。

したがって、チート行為をしたり、チート代行をすることは、電子計算機損壊等業務妨害に当たるため、刑事責任を負う羽目になります。

忙しい社会人は時間がたっぷりある無職や学生にはオンラインゲームで勝てないので、その時間の無さをお金で補おうとしてチート業者にチート代行を依頼することがよくあると思います(そして、それがバレて警告を受けることもしばしばあると思います)。

この場合、確かにチートをしているのは代行業者なのですが、依頼をした人にも責任はもちろんあるので何らかの処分がくだされても文句は言えません。

また、オンラインゲームにはチートの他にもリセマラ等いろいろな問題があります。

現在はいたちごっこのような状態ですが、いずれ効果的な技術や方法が編み出されるのでしょうか。

いずれにせよ、我々一般ユーザーは、チート行為には手を出さないようにすべきでしょう。

どうしても仕事をしている時間が勿体ない!と思ってしまう社会人のオンラインゲームユーザーは、家族に自分がいない間のレベル上げや資金稼ぎをお願いしておくと良いでしょう(笑)
私はオフラインゲームでも娘にレベル上げなどをさせていますが・・・w いや、だって本人がやりたいって言うから・・・

あ、そうそう。三国志Ⅲで見られたステータスの改変についてですが、同じようにパラメータの変更を同一性保持権の侵害と主張した判例にときめきメモリアル事件があります。
この裁判では、コナミ側(ときメモ製作者)が勝訴しています。

弁理士試験受験生や知的財産管理技能検定受験生はぜひ三国志Ⅲ事件の判決文と読み比べてみてください。