WIPOレポートに見る中国特許出願の伸びとその理由

世界知的所有権機関(WIPO)の年間レポート2019によると、2018年度の特許出願数は5.2%の成長を見せました。
特許出願件数は2004年から連続で伸び続け、全世界で2018年には約330万件の特許出願がありました。

World Intellectual Property Indicators 2019
World Intellectual Property Indicators 2019

そして、半分近くが中国国家知的財産権局(SIPO)にされたものです!

中国の特許出願増加数は凄まじく、全世界の出願増加数(出願件数ではないよ)の98%を占めます。

驚異的な成長率ですね!!

World Intellectual Property Indicators 2019
World Intellectual Property Indicators 2019

日本の特許出願数は決して少なくはないのですが、特に増えてはいません。
権利行使の容易化や損害賠償額の引き上げなどの手段を取らない限り日本での特許出願数の増加は見込めないでしょう。

法改正では査証制度は取り入れられましたが三倍賠償制度のようなものは新設されなかったので残念です。

訴訟を好まないのが日本の文化だと言ってしまえばそれまでですが、経済成長率が鈍化した原因の一つであると考えられるので、ぜひ早い段階で日本でも権利行使を容易にし、損害賠償額を引き上げてほしいです。

日本で提起された特許訴訟なんてほんの微々たるものですので、今後の法改正によってこれを倍増してほしいところです。

(余談ですが、先月イベントで出会ったスモール企業の社長さんが「うちは訴訟を提起した」とおっしゃっていたので、おお!と思い話を聞いてみたら、その方弁理士でしたわ・・・。そもそも知財部が無いことも多い中小企業では訴訟提起なんて遠い異国のお話です)

 

さて、特許出願件数1位の中国に続き2位は予想通りのアメリカ、そして3位に日本がランクイン!
4位は韓国、5位が欧州です。

ただし、中国の出願の9割は中国人によるものです。
つまり、外国人による中国出願はたった10%しかありません。

日本の中小企業では、外国出願なんて・・・と費用のせいで躊躇してしまう例が多いと思いますが、助成金を得ることもできますし、積極的に特許出願をしてほしいところです。

もちろん商標も重要です。

特許も商標も大切だとは思うけれどどうして良いのかわからない・・・という方はお問い合わせ下さい。

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