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シュークリーム屋さんやカレー屋さんの前を通りかかると良い香りが漂ってきて、ついフラフラとお店に吸い寄せられそうになってしまうのは私だけではないはずです。

このように「香り」にはお客さんを吸い寄せる力「顧客吸引力」が備わっています。

 

しかし、現在の日本の商標法では匂いは商標登録の対象とはなっていません。

登録の審査など難しそうですからね・・・。

 

しかし、匂いを権利として守ってほしい!という人は多そうです。

 

落語に「うなぎの匂いの代金」(または「匂いのかぎ賃」など)という小話があります。

 

ストーリーはこんな感じです。

 

あるところにケチな野菜売りの男がいました。
男はあまりにもケチで、おかずを眺めながら握り飯を食べるような男でした。

ある日のことです。遠くまできた町の路地裏を歩いていた野菜売りは、偶然うなぎ屋を発見しました。

あまりにも良い香りなので、男はその日から、そのかば焼きの匂いを嗅ぎながら握り飯を食べることにしました。

毎日毎日野菜売りが自分の家のかば焼きの匂いを嗅ぎながら昼飯を食べているので、かば焼き屋の店主は怒って「匂いの代金を払え!」と男にいいました。

すると男は懐からお金を取り出しばらまきました。

チャリン、チャリン。

そして男はばらまいたお金を拾い集めながら言いました。

 

「ほら、お金の音を聞いただろ?これが匂いの代金さ」

 

 

さて、私は初めてこの話を聞いた時に、なんとなく納得できないという気持ちになりました。

 

なんでこんな気持ちになるのだろう?と思って少し考えてみました。

 

すると、

①所有権は移転していないけど、野菜売りの男は無料でサービスを受けている。
美術館は絵を見るだけで入館料を取るのだから、匂いを嗅ぐだけで料金を請求してもいい気がする。

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②匂いは試食みたいなもので客寄せ。

商品を買う必要はないけれど買わないといけない気にさせる。買いたくない人はたとえ無料でも試食には近づかない。

だから、ウナギを買いたくない野菜売りは匂い(試供品)だけもらってはいけない。

 

というような理由に思い当たりました。

 

通りがかって匂いを嗅ぐ程度なら無料だけど、いつまでもそこにとどまって匂いを嗅ぎながら食事をするようなことをすると倫理に反するということです。

 

まあ、匂いというものは一瞬嗅いだだけなら強烈に感じますが、いつまでもそこにいるとあまり感じなくなってくるものなので、本当に匂いを嗅ぎながら握り飯を食べることが「かば焼きを食べた気」になるのかは謎ですが・・・。

 

ところで、アニメ日本昔話(娘のおかげで福田はいろんなアニメを見ておりますw)では、落語の小話を膨らませてうまくまとめています。

こんな感じです。

 

野菜売りの男が連日自分の家の軒先でおにぎりを食べるのでうなぎ屋の主人はイライラしていたのですが、ある日、遠方から来た客が
「野菜売りの男の言う通り、このうなぎ屋のかば焼きは絶品だな。
最高の匂いだから味も最高だろうというから来てみたが、本当に旨い!」

こう話すのを聞いて、気を良くしたうなぎ屋の主人は、野菜売りに評判を広めてくれたお礼にかば焼きをあげました。

野菜売りの男はそのかば焼きを家に持ち帰り、病気の母親に食べさせてあげました。

うなぎ屋の主人は目に見えない匂いというものを無料で提供したお礼に「評判」という目に見えないお礼を受け取り、さらにそのお礼として野菜売りは「もの」を受け取りました。

ここでいう「目に見えないもの」は知的財産権のうちの商標権に該当するものでしょう。

したがって、商標(ブランド)を保護するためには匂いも保護すべき、と私は考えます。

昨年から音の商標も保護されるようになったので、近いうちに匂いの商標も保護されるようになるといいですね♪