K-POPファンは韓国だけでなく、日本にもたくさんいます。
BTS(防弾少年団)のV(テヒョン)は世界一のイケメンに選ばれたということで興味を持った人も大勢いると思われます。
そこで、問題になってくるのがアイドルの写真の取扱についてです。
日本だと、ジャニーズ事務所がうるさくてジャニーズアイドルの写真を利用できないという話はよく聞くでしょう。
ジャニーズ事務所以外でも芸能人の写真は勝手に使えないということはわかると思います。
では、K-POPの場合はどうでしょうか。
K-POPの場合も同様です。
勝手に歌手やアイドルの写真をブログやSNSにアップしてしまうと、肖像権やパブリシティ権の侵害、及び著作権の侵害になってしまいます。
ここで注意したいのが、「芸能人の写真を勝手に使えない」とは、自分のスマホに保存したり携帯の待受にすることが禁止されているわけではないということです。
著作権法では、そのような行為は私的利用として許されています。
しかし、公式サイトで使われている画像で特に許諾の無いものをTwitterのアバターとして利用するような行為は許されません。
防弾少年団の写真で使っていい画像(配布したり加工して良い加増)とは、事務所が許可したものだけです。
マスタニムの許可は関係ありません。マスタニムから許可を得ても公式が許していないのならその写真は加工や配布してはいけません。
(なお、アニメの場合には公式がアバター利用OKとしているものが多くあります。もちろん何でも使って良いわけではなく、公式がサイトで配布しているものだけです)。
公式から差し止めされないのは、そのような行為が合法だからというわけではなくて、単純に数が多すぎていちいち止めていられない、という理由です。
ですから、ツイッターのアバターにアイドルの画像をそのまま使ったり加工して使うのは避けるべきです。
・・・とは言っても実害が無いでしょうから、アバターに使うだけなら許容範囲なのではと個人的に考えています。
ただし、もしもそのアイドルの事務所から使用差し止めをするような警告が来たら、即刻中止すべきです。
アイドルの写真を無断でSNSやブログにアップロードしたり加工して配布したりすると、いつそのアイドルの所属事務所から差止請求や損害賠償請求をされるかわかりません。
そして、損害賠償額は個人が払うには辛い金額になるでしょう(利用態様にもよりますが、100万円〜300万円とか)。
ファンである一個人が画像を加工したり配布するくらい別にいいじゃん、と思ってしまいそうです。
しかし、別にいいじゃんでは済まないのです。
なぜなら、インターネットの力は計り知れないからです。
公式画像を仲の良い友達のために加工してあげたり、プリントアウトして仲の良い友達にあげるくらいならまあ許されるでしょう。
しかし、Twitterでフォロワーの人たちみんなに無料で配布なんてしてはいけないのです。
ソンムル交換の域を超えています。
だって、単なる一般人でも芸能人の写真を加工して配布すれば簡単にフォロワーを集めることができてしまいます。
普通の人だったらフォロワーを100人集めるのだって大変です。
でも芸能人の写真を利用すれば、フォロワーを1万人集めることだってできてしまいます。
そのアカウントを作った人の魅力や実力は全く関係ありません。
単純に芸能人に人気があるからそれだけフォロワーが集まったわけです。
(なお、仮にその個人がフォロワーさんから一人10円の寄付を募ったとして、一万人のフォロワーさんが一人10円くれれば10万円になってしまいます。
また、こっそりとDMで「特別加工します。1000円でいいよ♪」なんて言っているかもしれません。外部からは判断できませんよね。
このようにたくさんのフォロワーがつけば簡単にお金儲けができてしまうのです。
そして、こうした行為は犯罪です。その後の人生を破滅させてしまうので絶対にやってはいけません。)
そもそも公式サイトの画像をダウンロードできない時点で気づいてほしいのです。事務所側は画像の無断使用を望んでいないということに。
私はこのブログ記事を書く際に参考として防弾少年団の公式サイトから写真をダウンロードして使おうとしたのですが、ダウンロードできませんでした。
仕方がないのでアマゾンで売っているDVDの画像をあげておきます・・・。
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ファンの人がこのDVD買えば防弾少年団にお金が渡ります。
しかし、個人が勝手に配布している画像を手に入れても、BTSには一銭のお金も入らないのです。
マスタニムの違法性
さて、お金の話が出たところでマスタニムの話もしておきましょう。
K-POPファンの方にはお馴染みのマスタニムですが、念のために説明しておきます。
マスタニムとは、マスターと韓国語のニム=様を合わせた用語です。
テヒョンニムでテヒョン様ですね。
ですからマスタニムはマスター様ということです。
マスタニムはペンカフェ(ペン=ファン。ポータルサイトのようなところで誰でも簡単に開けるファンクラブのようなもの)を開いていて、アイドルのおっかけをしています。
その多くはおっかけをしながら写真を撮ったりその写真をグッズにして販売したりしています。
ここで、大きな問題があります。
マスタニムのほとんどは芸能事務所から許諾を得ておらず、単なるファン(オタク)だったりアイドルの人気に便乗して金儲けをしている人たちだということです。
サセン(ストーカー)よりはマシでしょうが、似たようなものです。
それにもかかわらず、他のファンから自らをマスター様と呼ばせ良い気になっています。
「マスタニムの画像を勝手に保存するな」
「マスタニムの撮った写真を保存したければマスタニムに許諾を得ろ。その際には金を払え」
と好き勝手な主張をしています。
まず、著作権法的な面から言うと、上記の主張は全くの詭弁です。
無視して構いません。
ただし、アバターに利用したり加工利用するとマスタニムの著作権を侵害することになってしまうので許されません。
ここで、多くのマスタニムが撮った写真はアイドルグループの肖像権やパブリシティ権を侵害しています。
ですから、芸能事務所側が訴えればマスタニムは損害賠償金を支払わなくてはいけません。
とはいっても、「マスタニムの写真は違法に撮られたものなんだ」からといって、その写真を自由に使っていいわけではないのです。
あくまでも著作権は写真を撮ったマスタニムにありますから。
私が芸能事務所から許諾を得ていないマスタニムを嫌う理由は、純粋なファン活動を阻害しているからです。
たとえば、お金儲けを目的にしているマスタニムは、最初のうちは高画質の画像をTwitterにアップしています。しかし、「グッズを販売します」と告知したのでお金を振り込むとそのお金を持ち逃げするということをします。
また、上述したように、マスタニムの中には他のファンより自分は上、という意識を持っている人がいます。
自分は特別なファン。そうした発言をすることにより他のファンの気分を害することになります。
すると、アイドルは何も言っていないのに、アイドルからファンが離れてしまいます。
まとめ
アイドル本人が望まないことをファンがすべきではありません。
アイドルや事務所が「画像を勝手に使わないで」「画像の著作権は○○に帰属します」というように発言しているなら「これくらいいいだろう」と思わずに、私的使用の範囲を超えた使用は控えるようにしましょう。
もちろん、事務所が「この画像なら使っていいですよ」といっているのならその画像はありがたく使わせてもらいましょう。
インターネットが発達した現代では、著作権や肖像権には十分に注意しなくてはいけません。
ファンだから、好きだからこそ、節度を保ったファン活動を行いましょう。
なお、写真だけでなく文章にも著作権はあります。
このブログの文章にだってしっかりと著作権は発生しているのです。
ですから、出典を示さずまるで自分の発言のようにこのブログに書いてある文章をコピペして使うと著作権侵害となります。
ただし、「引用」の要件を守ってコピペすることは許されます。
たとえば、このブログの題名「主に知財」とこのページのURLを示せば、このブログに書いてある文章の一部(全部は多すぎ)をコピペして貼り付けることができます。
(引用のやり方について詳しく知りたい方は上記のリンク先を見てください。私の知的財産権に関する法律のサイトです。)
インターネット上には嘘の情報がたくさんあります。
著作権法の解説記事があっても、それを書いた人は法律を専門的に学んだ人ではなく、単なる一般人ということもよくあります。
そして、その文章が正しければ良いのですが、多くの場合は間違っています。
だから問題になるのです。
「みんなが言っているから大丈夫」「誰かのブログにOKと書いてあったからやってもいい」というような判断は非常に危険です。
法に則ってアイドルのファン活動を楽しみましょう!