知財防衛株式会社と株式会社マリカーの関連性

昨日『任天堂は無関係』という商標は登録されるのかという記事を書きました。

 

その際に、コメント欄で商標登録出願人である知財防衛株式会社についての情報をいただいたのですが、どこかで聞いたことのある名前だし記事を書いたことがあるはずだけど過去記事を検索しても出てこないので、なんでかなとずっと考えていました。

 

そこでパソコンの中を調べてみたところ、1年半ほど前に間違って壊してしまった以前のブログ(このブログはそのブログの記事だけを載せています。もらっていたリンクなどは全部消えてしまいました)で知財防衛株式会社について触れた記事を発見しました。

 

再アップしていなかったのは「批判記事」に該当するため、恨まれたら怖いなという気持ちがあったからです。やっている行為を批判しているのであって個人を批判しているわけではないのですが、どんな理由にせよ批判される方は気持ち良くはないわけですから。

 

しかし、参考のため、再度載せます。(一部リンクを貼り替えてあります)

 

ここから下は、旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。実際に書かれたのは2年ほど前です。

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知財制度をビジネスで悪用できる?

 

商標法は商標を使用する者の業務上の信用を守るためのものです。したがってその業務をしている者以外の者がその商標を先取り的に出願してしまうことは許されず、たとえそのような商標を出願しても拒絶されることになっています(商標法4条1項10号等)。

 

しかし、この拒絶理由は限定列挙されているため、「微妙な」商標については登録されてしまう場合があります。

 

そのため、「もしかしたら商標登録を受けられるかもしれない」との期待を込めて自分が使いもしない商標を大量に商標登録出願するような人もいます。

ベストライセンス株式会社の上田育弘氏などが有名です。星氏という人もいます。

 

もし「他人が使いそうな商標」の登録を運よく受けることができれば、その商標を使いたい人に売りつけ、簡単に小金・・・いえ、場合によっては1億を超える大金を稼ぐことができます。

 

実際にはそんなことは無理で、高くて数十万円手に入れられるかどうかなのですがそれでも「美味しいビジネス」ではあります。

 

 

そんなわけで、商標を先取り的に出願して儲けようと企む人が後を絶たないわけですが、上田育弘氏の出願が特許庁の商標の取り扱いの運用を変えてしまうほど話題になっているのを知ってか知らずか、また性懲りもなく、同じようなことを企む会社が現れました。

 

その会社の名前は知財防衛株式会社。

 

この知財防衛株式会社というのは、東京の品川に私書箱だけを借りていて実際には業務を行っていない会社のようです。

 

無料で作ることができるHP作成サービスを利用して作られた簡素なホームページを見てみると、どのようなサービスを行っているか知ることができます。(2019年1月現在、このHPは無くなってしまったようです)

 

 

「サービス概要」を読んでみると・・・

 

「援軍支援サービス」というちょっと怪しげな名称のサービスが目につきます。

 

内容をそのまま引用してみます。

 

当社の提供する援軍サービスは、原則として知財防衛連合に加入頂いた後に受けることができます。
なお、知財防衛連合の加入企業同士の知財紛争は当事者間で解決頂くことを基本方針としております。
知財防衛加盟 会費 月額10万円(税別)

 

 

これはよく意味がわからないのですが、商標版のパテントプールのようなものを想定しているのかもしれません。

 

ただ、ホームページの文言を見る限り、どうも元弁理士である上田育弘氏とは違って知財に詳しい人ではないようなので、パテントプールのことは知らないかもしれません。

単純に「会員が増えてくれたらウハウハだわ」と思っているのかもしれません。

 

信用の蓄積されていない会社に多くの人が月に10万円もの会費を払ってくれることを見越してのビジネスですので、会社設立前からすでにビジネスモデルは破たんしているように思えますが・・・。

 

もしかしたら私なんかには想像もできないほど知財に関する高度なビジネステクニックやコネを持っている会社なのかもしれません。

 

他にも領地解放サービスというサービスがあるので利用してみるのも面白いかもしれません。

 

ただし、一方だけが利益を得ることを目的としたビジネスは成り立たないか淘汰されるのが世の常です。

 

商標というものは業務をする人及び一般消費者双方のために存在するもの(商標法法目的)なので、関係のない第三者がお金を儲けるためだけに利用することは慎むべきです。

 

現代はインターネットが発達しているので、変なことをすると、簡単に悪いうわさが広まってしまうので、知財制度を悪用すると、自分の名前と評判を傷つけることになります。

 

知財だけに限りませんが、誠実な事業者が増えることを期待します。

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この記事を久しぶりに読んでみて気づいたのは、「法人の住所が同じでも同じ会社ではない」ということです。

 

恐らく、知財防衛株式会社と株式会社マリカーの間にはなんの関係も無いのではないかなと思いました。

あ、でもそのわりには商標出願の代理人が同じだったりするしやっぱり関係あるのかな(^^;

 

誠実に業務を運営していても同じ住所に存在する他社が不誠実なことをすると風評被害に遭う可能性があるので、この住所を利用している他社には同情を禁じえません。

 

ブログも、共有サーバーの場合には変な使い方をする人のせいでそのサーバー全体が悪影響を受けますしね・・・。