*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。リンクを下さっていた方はこのブログのアドレスに設定し直してくださると助かります。

問題を解決するとき、通常は問題を小さく分類して解決していくこととなると思いますが、今日はあえて問題を大きくしてみます。

 

今現在悩んでいること、困っていることを更に大きな問題の中で捉えてみます。

すると、今まで悩んでいたことが大したことではないということに気づいたり、思いもしなかった解決法にたどり着くことが出来ます。

 

問題を大きくして解決する方法

①問題を提示する(いつものように問題を「定義」はしません。問題の定義は④までお預けです)

②いきなり問題を解決せず、「達成したい理想」という広い視野からその問題を見てみる。

③適切な問題を定義できるまで②を続ける。

「本当の問題」は何か。より大きな問題は何か。なぜこれを問題と捉えているのか・・・。

④③で定義した問題を解決する

 

たとえば、問題が「昨年度より、もっとたくさんの特許を取りたい」だったとします。
この場合の理由は「競争力をつけるため」や「特許出願件数の多さは企業の強さの証」だからかもしれません。

 

しかし、さらに掘り下げて大きな理想という面から考えてみましょう。

 

「理想はもっと会社にお金が入ってくることだ」

「特許の出願件数が増えても売り上げには直結しない。厳選した重要技術だけを特許出願すればいいのでは?」

「競争力をつけるには必ずしも特許出願件数にこだわらなくてもよいのかもしれない」

「別の方法でブランド力を強化してみてはどうだろう」

「技術は買うこともできる」

「売り上げをあげるには単純に営業に頑張ってもらえばいいのかもしれない」

「新しいマーケティング手法を試すのも良いかもしれない」

 

このように考え、結果として

「技術力が優れた会社は素晴らしい会社だ。でも、優れた技術を持っていても売り上げに直結するわけではない。むしろ特許の頭数だけ揃えても維持費が経営を圧迫する。うちみたいな小さな企業は大企業みたくいくらでも特許を出願できるわけじゃない。経費を削減すれば売り上げを上げなくても経営を改善できる。

研究開発に投資はしつつも同時に別の努力をすべきでは?特許の出願の数にこだわることをやめてみよう。新技術ではなく既存の優れた技術を使って新製品を開発するのも良いかもしれない」

という考えに落ち着くかもしれません。

 

「昨年度よりも多くの特許出願をしたい」という問題が
「我が社自慢の技術を使って新製品を開発する」という解決策へ繋がりました。

 

この問題解決手法は日常生活のなかでも使えます。

たとえば、「彼女がいなくて寂しい」という問題を抱えていたとします。

 

この場合、すぐに「友達に女の子を紹介してもらう」「出会い系サイトに登録する」
という解決策に飛びつくのではなく、問題をもっと広い視野から見てみます。

 

「なぜ彼女がいなくて寂しいんだろう?→周りが彼女持ちで幸せそうに見えるからだ→彼女がいても幸せでない人もいるよな。綺麗で可愛くても金遣いが荒くて男を物のように扱う彼女と付き合っていたら人生を無駄にしてしまうかもしれない。→

いずれ素敵な女性に出会えるかもしれないからそのときまでに今は自分の能力をあげることに費やしてみるか。というか、スペックの高い男になれば放っておいても女が近づいてくるよな」

 

「彼女がいなくて寂しい」という問題が
「今は自分へ投資する期間。自分の能力をあげる」という解決策へ繋がりました。

 

他にも、抱えている問題が「夜行バスは次の日快適に過ごせない」だとします。

 

理想を「夜行バスを使っても次の日快適に過ごせる」ととらえると、「夜行バスで快適に眠る方法を探す→アイマスクや首枕を用意する」という解決策に行きつきます。

 

でも、理想を一度の考えで止めずに「なぜ」を繰り返し、もっとたくさんの大きな理想を出してみます。

 

「なぜ不快なのに夜行バスを使うのか?」→「安いからだ」→「でも、快適に眠ることもできず酔うためバスの中で読書なども出来ず時間の無駄だ」→「飛行機や新幹線は高額なので安く移動したい」→「青春18切符を使って旅してみよう!読書でもしていれば全然苦痛じゃない。それどころか良い勉強の機会だからずっと電車に乗っていたいとさえ思うぞ」

これは、私が学生時代に考えて実行したことです(笑)

 

更に、「子供がいうことを聞かない」という問題を抱えていたとします。

 

この場合にも、すぐに「厳しく叱る」だとか「他人に叱ってもらう」という解決策に飛びつくのではなく、問題を広い視点で見直します。

 

「子供が言うことを聞かない→イライラしてしまう。→支配欲があるからイライラしてしまう。子供はいうことを聞かなくて当たり前。むしろ、簡単に他人の意見に賛同せず自分の意思を通そうとするので親の言うことを聞かないのは好ましいことなのでは?→子供に言うことを聞かせるよりも支配的な親である自分が考えを改めるべきだ。」

 

「子供が言うことを聞かない」という問題が、
「親である自分が考えを改める必要がある」という解決策に行きつきました。

 

これも、私福田ちはるが母親になってから考えたことです(^^;

このように、問題をいきなり解決しようとせずに何が問題なのか、なぜ問題なのかを繰り返し考えてみることにより問題を定義し直すという方法もときには有効なのではないでしょうか。