
知的財産権は、アイデアや表現、ブランドなどを守ってくれます。
しかし、知的財産権でも守りにくいものがあります。
それは、スタートアップのビジネスアイデア、小説のアイデア、新製品のコンセプト、こういったものは知的財産権で守りにくいものです。
そのため、ブログやSNSでは頻繁にこの手の盗用を憂う投稿を見かけます。
また、私も過去に相談を受けてきました。「パクられてしまいました。どうにかなりませんか?」と。
知的財産権を持っていればどうにかなったケースもありますが、多くは泣き寝入りするしかない、または法的にパクリとはいえないような相談事項でした。(そして、なぜか私が怒られました)
デッドコピーじゃなくて、細部を組み替えてしまって「◯◯風パクリ」にしてしまえば知的財産権の侵害を問えないこともあるので、パクリが上手い人はそういうことをするんですよね。
動くお金が大きい市場だと侵害訴訟の提起となりますが、パクられたほうがスタートアップや個人など資力を持たない場合には泣き寝入りなんてよくあることです。
さて、パクる方は楽々ですが、パクられた方は怒り狂う(そして相談を受けた私がとばっちりを食う)というのがこの手の「知的財産権で守れないことのパクリ」です。
これは、傍観者やパクる方の気持ちで考えていては決してわからないことです。
「まぁまぁ、そんなに怒りなさんなって。お茶でも飲んで落ち着いて?ほら、言うほど似ていないよ。」
・・・しかし、パクられた方にはそんな言葉、届かないのです。
一度パクられてみるとその怒りがよく分かるでしょう。
しかし、法的措置に出ることも出来ない場合、泣き寝入りしかできません。だから余計悔しく悲しく怒り狂うのです。
では、知的財産権を保有していないものについてパクられた場合、完全に打つ手無しなのでしょうか?
考えられる対処法を述べてみたいと思います。
アイデアをパクられた場合の対処法
アイデアをパクられた場合の対処法を述べる前に少しだけパクリというものについて私の考えを述べさせてください。
ビジネスの世界は世知辛く、パクリ・パクラレは日常茶飯事です。
エンジニアなど創作する立場の人の中には知的財産権を見くびっていたり信用していない方もたまにいらっしゃいますが、勘違いに基づく侮りも多いので、知的財産権で参入障壁を築けるのならそうしたほうが絶対に良いです。
それを汚いとか理念に合わないと否定しないでください。
知的”財産”権というくらいですから、あなたの財産を守り、増やすための権利なのですよ。
十分に活用してあげてください。
「知的財産権なんて信じない!正しい方が最後は勝つ!」なんてことをおっしゃらずに、最低限の法的武装は整えてください。
悔しくて眠れぬ夜を過ごすより、お金で解決してしまったほうがスマートです。
さて前置きはこれくらいにして、パクられた場合の対処法について述べていきたいと思います。
1.悪口を言いふらす?
ビジネスアイデアや小説アイデア、キャラクターコンセプト、ブログ記事のコンセプト、何でも良いのですが、それらのコンセプトを盗んだ人のことは憎いと思います。
そのため、最初にやりがちなのが、パクった人の悪口を言いふらすということです。
最近はSNSも隆盛ですので、簡単に共感・味方してくれる人が現れるでしょう。
・・・ただし、この方法は、お勧めしません!!
悔しい気持ちはわかります。でも相手の悪口は言わないでください。
被害を受けたのが第三者の場合はそのことを指摘するのも良いでしょう。
でも、被害を受けたのが自分だけなら悪口は言わないようにしてください。
怒りにとらわれて何も生産的なことが出来なくなってしまうからです。
どうぞその怒りの気持ちを「新たな創作」へと昇華してください。
2.専門家に相談する
コンセプトのパクリに関しては専門家も何も出来ないのですが、もしかしたら何かできる可能性もあります。
著作権侵害だったり、不正競争行為であることもあるでしょう。
そのため、正確にはどんな法律違反になるのかはわからないけれど違法性があるかもと考えたら専門家にご相談されることをお勧めいたします。
お金がかかるからなぁと躊躇されている方はこの記事のコメント欄で質問してくださっても結構です。
3.怒りのパワーを使って新たな創作をする
私の最もお勧めする方法はこれです。
既に1で述べたように、怒りのパワーをパクった相手に向けて発散するのは生産的ではありません。
そのため、パクった相手以上のものを生み出しましょう。
怒りはネガティブとも考えられますが、ときにより良いものを生み出すパワーともなります。
怒りの炎を燃料にして、どうぞ斬新なアイデアを生み出してください。
もしパクリをしてしまったら
ここまではパクられた側の対処法について書きましたが、パクった方への注意点も書いておきたいと思います。
まず、パクった側の人は、パクられた人から嫌われ、簡単には許してもらえないということは覚悟したほうがいいです。
過去にパクリをしてしまった人は、相手の気持ちを考慮し相手にとって有利なこと、たとえば相手の名前を公開して「この方の作品からインスパイアされました」と今からでも書いてあげれば、敵だった人が味方になってくれる可能性があります。
影響力が大きい・ライバルと見做している相手のことほど味方にしてしまったほうが絶対にいいです。
敵を作って良いことなんてありません。
情報がもらえるかもしれないし仕事も回してもらえるかもしれない。あなたの作品を宣伝してもらえるかもしれない。
ライバルから応援してもらえるメリットって想像以上に大きいですよ。
あなたが「ほんのちょっとしかパクっていない。大したことない」と思っても、そう思っているのはあなただけです。盗まれた側の人は、根に持って許してくれません。
同業者で同じようなプロダクト(ゲーム、音楽、漫画、それからブログ記事でも)をお互い作っていて、表面上は仲良くしていても、心のなかでは「こいつのことは許さない」と思われています。
「悪口を言うと自分に返ってくる」ことがわかっているのでパクられた相手は言いたくても言いたいことを言えずに我慢しているだけです。
影響力の大きい同業者を一度敵に回してしまうと、もう修復は不可能なことも多いので、最初からパクらないと決意したほうがいいですし、オマージュ作品を作りたいと思ったら、相手にその旨を伝えましょう。
「あなたの作品が素晴らしかったので影響を受けてこんな作品を作りました」と伝え相手の名前をはっきりと表示したら、嫌な気分になる人はいませんよ。
やってはいけないこととして、相手の作品からインスパイアを受けたのにそれを黙っているということです。
これは見る人が見ればパクリだとバレます。
相手の方が先に発表していて時系列的にも明らかにパクリなのにオマージュが無いのはかなり不利です。
相手の作品から影響を受けたり見ながら作ったのは明らかなのですからパクられた人の気分を大きく害しますし、同業者から覚めた目で見られます。
オンラインではなくオフラインで悪口を言いふらされるかもしれません。
そんなわけで、法律違反にならないレベルでパクった場合には、相手を尊敬しているということをきちんと表記することが大事です。
これが出来ない人が多いので、こういうことをすると、正々堂々とした性格の人だということのアピールにもなります。
喧嘩をせずに相手をリスペクトして得られるものって大きいと思いますよ。
友達に美術の飛び出すカードのメインとなるもののアイデアをパクられました。
私が学校に持って行った時は私の作品を見てまだ何もできてないと言っていたのに提出日に持ってきた作品は同じようなもので、かつ私のにアレンジを加えたようなものだったのでレベルの高いものでした。
自分も何時間もかけて作ったのに、、、
しかも結局評価は私が10段階のうち5.5であっちが9でした。
でも絶対にパクったという確証もなく何も言えませんでした。
イライラするしなにより悔しいです。
どうにかなりませんか?
デザインや美術の世界ではよく聞く話です。学校ならまだマシですが、ビジネスの世界でもよくあります。
人間関係にヒビが入っても良いのならその事実を先生に言うこともありでしょう。
またその他にもいくつか方法はあります。
しかし、今から出来ることはそれほどないので、今後はアイデアを盗まれないように出来ることをしてください。
特にビジネスの場では巧妙に盗んでくる人がいます。
ヒアーというサイトでscratchの@sayukazu29をパクられました。
さゆという名前でやっていて(自分の名前もさゆです。)アカウント名も年齢以外文章も丸パクリされました。
歌ってみたを投稿してるんですがそれもパクられてます。自分でかいたウサギの絵も。
ですか気づくのが最近で自分のscratchのアカウントの紹介やプロジェクトも書き方やサムネなどを少し変えちゃってます。
ウサギの絵を使っていた証拠も歌ってみたの証拠も残っていますけど。
一応匿名で(アカウントを作らないと名前ありでできないので)注意はしといたんですが見るかどうか、、、。
どうにかなりませんか?
匿名で言うと無視されるので、名前を出して文句を言ってみたらどうでしょうね?
それでもパクリ続けるようなら、「この人私のアカウントをパクっています!」とSNSで騒ぐとか・・・。
法は自力救済の禁止を原則としているのですが、騒ぐと話題になります(お勧めはしていませんよ)。