弁理士試験自主ゼミを開くなら

令和3年度弁理士試験論文式試験の合格発表がありました。
今年は合格者が少なかったですね。受かった方は無料口述模試にお申し込みください。

落ちてしまった方は気持ちを切り替えて勉強をはじめましょう。

といっても、様々な受験機関の講座に申し込んだけど受からなかった。お金もかかるしやるべきことはわかっているのだからあまりお金をかけずに勉強したいという方もいらっしゃるでしょう。

私も論文添削はしているのですが非常に手間がかかるので、年内は新規受付は出来ない状態です。添削枚数が少なくなるので1科目だけなら大丈夫かもしれません。(なお、正式にお申し込み前に今年の合格者の論文を添削したものをお見せします)

論文添削は手間がかかるのであまり大人数できません。なので、添削を受けたくても受けられない人が出てきてしまいます。
そこでお勧めなのが自主ゼミの開催です。

自主ゼミとは、弁理士試験受験生が集まって開くゼミです。
特に決まった先生がいるわけではなく受験生が知識や教材をシェアしあうので、ある程度勉強が進んでいて知識レベルが同程度の受験生同士で集まるのがベストです。

勉強をこれから始める人はやらない方が良いです。メンバーに迷惑をかけてしまいますから。

既に勉強は1年以上はやっているのに受からないという人たちがモチベーションの維持と精神的な支え、勉強機会の捻出のために利用してください。

2点注意すべきことがあるので述べてみたいと思います。

1.メンバーの人選

自主ゼミのメンバーは、合格するまで一緒に駆け抜ける言わば戦友のような存在なので人選には最初にこだわったほうが良いです。
直感で違和感を覚えるような人と組むのは(断りにくいですが)断ったほうが良いです。
特に、性格が合わないと思われる人とは絶対に組まないほうが良いです。勉強どころではなくなってしまい合格が遠のきます。

たとえば、クレクレ君(教材のコピーを頂戴と言ってくるだけの人)や噂話好きの人には精神力を削り取られるので距離を置いてください。
悪口好きの人なんて最悪です。他人の悪口を言う人はあなたの前ではあなたの悪口を言いませんが、あなたのいないところで悪口を言っています。最初から関わらないほうが良いです。愚痴ばかりの人も困ります。ネガティブなことは聞かされるだけで精神的にダメージを受けます。
資格試験勉強においてネガティブになって良いことはあまり無いので、前向きに勉強できる人と組みましょう。
励ましあえる関係が最高です。

それぞれ得意なことと不得手なことが違いますのでそれぞれの良さを引き出せるような勉強が出来ると理想的です。私は暗記が得意だったので短答はゴリゴリ暗記をして乗り切れたのですが、論文が苦手で苦労しました。

論述の表現方法について意見を出し合うのは自分の表現を客観視出来るので良い経験です。メンバーみんなで論文を回しあうと、皆の表現が同じになります。(レベルが低いととんでもないことになるので要注意です。)

人数は3人以上5人以下が良いと考えています。2人だと少ないですし、6人以上は多すぎます。
あまり人数が多いと派閥が出来たり仲間割れの危険性があるので、3人いれば良いです。

自分だけ受かれば良いと考えている人とは組まないほうが良いです。雰囲気がギスギスするからです。もし自分がそのタイプの人ならば一人で勉強した方が良いです。一人で頑張ることも立派なことです。
なお、私が入っていた自主ゼミはメンバー全員が「みんなで受かりたい」と考えていたので、全員で同じ年に短答・論文に合格しました。そして、なんと、口述試験に4人中3人が落ちました。
そこまで仲良くしなくていいです。

(こういう過去があるので毎年口述模試で受験生に祈りを捧げているのですが、今のところ一人も口述に落ちた方はいらっしゃいません。皆さん、私のを乗り越えていってください)

場所はご近所さんが理想ですが(平日夜に喫茶店やファミレスで勉強できる)、オンラインなら関係ないでしょう。

2.著作権の取り扱いに注意

弁理士試験受験予備校の教材はコピーが禁じられています。迂闊にSNS上にアップロードなどしないようにしましょう。著作権侵害の恐れがあります。

また、ゼミの資料等をコピーして他の講師に送るのもお気をつけください。
私は大手受験機関のテキストは毎年購入しています。小規模受験機関のものは購入できないので入手していません。コピーを送ってくることも禁じています。私は対価を受け取って指導しているので他の受験機関のテキストを生徒さんから受け取ってコメントするということはしておりません。

以上、自主ゼミを開催するときに注意すべき点について述べました。
自主ゼミをすると、非常に深く勉強することになります。そのため、試験ではそこまで聞かれないだろうというような深さの勉強までやってしまうことがあります。
かといって浅い勉強だけでは受かりません。程々の深さまで勉強してください。

自主ゼミは楽しすぎるので、楽しむことが目的とならないように十分にお気をつけください。