【知財業界に愛を】経営デザインシートを作成してみた

内閣府知的財産戦略本部の経営デザインシートというものがあるのですが、昨日、弁理士の鈴木健治先生にお会いして、丸一日かけて経営デザインシートの作成に協力してもらいました。
色々と面白い経験をされている先生だけあって、数時間がまるで数分のように過ぎ去りました(いや、終始元気だったのは私の方で鈴木先生はお疲れだった・・・。私は普段ブログばかり書いている人間ですが、元々ブログを書くみたいにひきこもってする作業が好きではなく人と話すのが好きなので、人と会っているときの時間と一人で作業をしている時間の流れは全く違うのです)。

経営デザインシートについてですが、頭のなかのモヤモヤを図示化出来たのでスッキリしました。
まだ完成形ではなくこれから修正を加えるのですが、とりあえず一日かけて作った経営デザインシートが一番上の画像です。
(これからまた書き直すことになるので大まかな触りの部分だけですが)

 

SDGsというのは壮大過ぎるのであまり気にしないでください。

一番上に書いてあるのは、将来構想のキャッチフレーズです。
知財関係者みんな笑顔で、狭い業界をより狭く

なんじゃこりゃって感じですね(笑)
わかりにくいので少し説明をしたいと思います。

私の身近には弁理士が嫌になって辞めてしまった人がいたり、私自身、結婚後一旦キャリアが中断したことにより、今度は違うことをしたい、誰もやりたくないけど自分は熱中できる無駄なことをしたい等色々な思いはありますが、やっぱり知財が好きという思いはあるので何年も経ってから知財業界に舞い戻ってきました。

私だけでなく友人知人らも多くが知財業界の人間なので、仲間が楽しく笑顔でいてくれると私も嬉しくなります。

なお、私の目標は最前線で活躍するキラキラした弁理士ではなく、知財業界の人たちを影で支えるおにぎりみたいな存在になりたいと思っています(こういう意味がわからない文を書くあたり弁理士向きでは無い)。

賞賛されちやほやされるよりも、お前がいなきゃ駄目なんだよぉぉと言われることに興奮するタイプだということは過去に自己分析をしてわかったので、欲望に忠実に生きていきたいと思います。

 

さて、どうやったら関係者全員が笑顔になるかな?と考えると、やはり職場環境や人間関係が良好なことが挙げられます。

また、どうしたら環境が良くなるかというと、業界の透明性を高めることだと思っています。具体的には出来るだけ外に出せる情報は外に出していくことです。

これが「狭い業界をより狭く」の意味です。(ちなみに鈴木先生によるネーミング)
ただでさえ狭い知財業界、情報を出して更に狭くすればみんな仲間!というわけです。

 

この将来像が実現された1年後の理想の姿は右の丸の中で、「知財が好きな人たちを増やす」「知財業界の人に誇りを持って働いてもらう」です。
潜在的な知財好きの人を業界に呼び込み知財業界を活性化すると共に、既に知財業界で働いている方には楽しく誇りを持って働いてもらえるようにします。

左の丸の中が現在と過去です。

右の◯の中の理想の姿を達成するためにやっていることは何かというと、弁理士を増やすために弁理士試験受験指導と透明性を高めるために嘘のない情報発信をすること(後述します)です。

弁理士試験受験指導は、元々は弁理士を増やすためというよりも、別の目的があって始めたことです。

それは、「雇用の創出」です。

私は普段は大阪にいるので東京で受験指導は出来ません。そのため、東京では私以外の人に講師をお願いしているのですが、「先生になるために生まれてきたような人」に出会えたので、その人の良さを最大限に引き出すために、受験指導を通じて勉強を続けてもらっています。(基本的に試験合格後は徐々に知識が抜けていきますが、指導を続けていれば知識は抜けません)

幸いなことに私の見る目は正しく(ドヤァ)、講師は生徒さんたちから慕われていらっしゃいますし、合格に近づけるように確実な知識の伝授をしてくださっています。
ただ、問題を作成する労力は半端なく(私は論文の問題一問作るのに数十時間かけています)、とてもわりにあいません。
短答問題の作成は簡単にできるのですが、オリジナル論文問題作成に情熱を燃やすあたり、我ながら馬鹿だなあと思います(時給で言うと50円くらい?)

好きじゃないと絶対に続きません。

でも、私が消耗する分、生徒さんたちが合格に近づくのだと思うと頑張れます。

話が脇にそれてしまいましたが、受験指導というものは想像よりもずっと骨が折れます。個人が儲けようと思ったら、自分だけでやるか、値段を高く設定するか、きめ細やかな指導を放棄し大人数にするのが正解です。なのに人を雇って受験指導だなんて滑稽の極みなわけです。
それでも私が講師に依頼してまで受験指導を続けるのは、受験生への指導をしたい人がいたときに全てお膳立てして講師が出来るようにしてあげたいからです。
そして、受験指導を通じて講師の可能性を広げたいと思っています。
あとは、私自身が講師をするときは、生徒さんとの出会いを楽しんでいます。雑談ばかりのゼミで、でも伝えるべきことはきちんと伝えるというスタイルが好きです。自分が受験生のときに受けたかった形式だからです。

上述の将来構想のキャッチフレーズに戻りますが、「知財関係者みんな笑顔で、狭い業界をより狭く」の”みんな笑顔”というのは具体的には、従業員である弁理士たち、所長弁理士たち、転職して知財業界に入ってくる人たちを指します。

たとえば、ブラックと呼ばれるような特許事務所だと笑顔なのは所長だけで従業員は苦痛です。また、転職して知財業界に入ってくる人たちも、そんな事務所に入ってしまうと不幸になります。

したがって、「嘘のない情報発信」が重要となります。

これは、私の思い込みや恣意を極力排除して客観的な意見を伝えるということです。

これは非常に難しいです。

人間誰しも文章を書くときは主観的な視点から書くので、どうしても偏りが出てしまいますし結論ありきで書きたくなるからです。
また、自分一人の経験だけに基づいて書くと的はずれなものとなります。

そこで周りの人(弁理士や受験生など)のリアルな話が生きてきます。

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私の周りにはかなり高齢で特許業界に飛び込んできた人や、転職エージェントに見捨てられた人たちがいっぱいいるので、彼らの話を書いていくのも良いなと思いました。
実名などを挙げないと嘘かと思われるのではないかと心配していたのですが、鈴木先生には「本当の話ならリアルさが伝わるから大丈夫」と助言していただけたので、人を特定されない程度にボカして書いていこうと思います。

「転職エージェントに見捨てられた人」についてですが、どんな人達かというと、40歳特許実務未経験者とか30歳文系特許技術者志望者などです。
この方たちが特許業界に入ってくるには自力で頑張ってもらう必要があります。
まず、大前提として知財業界である必要はあるのか、他に道はあるのではないかということをヒアリングし、それでも知財業界に来たいのなら様々な転職方法をお伝えします。
自力で頑張ればどうにかなるものです。熱意さえあれば転職出来るので諦めないでほしいです。

さて、過去には「見捨てられた」人たちの職務経歴書(転職エージェントが書き直したもの)を見せてもらったことがあるのですが、書き直しをしてもらっていませんでした。誤字脱字はそのまま、協力しようなんて全く考えていないのがありありと伝わってきました。

転職エージェントは慈善事業ではなく、ビジネスとして転職者に協力しているので一部の人を見捨てるのはビジネスとして考えると正しいのですが、本当に協力が必要な人ほど真っ先に切り捨てるので(表面的には協力する。具体的には、2,3件だけ案件を紹介するなど)、あまりの冷たさにこちらまで悲しくなってしまうのです。

ビジネスではお金をいただくことは決して悪ではありません。お金とは価値を提供した対価ですので汚いも綺麗もありません。しかし、根底に愛が無いと人はお金を前にして倫理観を失ってしまいます

この問題を解決するには透明性を高めることと不正を出来ない仕組みづくりが大事です。

高齢者や転職困難者の就職を応援するのはボランティアです。全くお金にはなりませんが、社会貢献となり自分が使命を感じることなので損得抜きに取り組んでいきたいと思います。(もちろん過度に親切の押し売りもしません)

実は高齢者は性格にもよりますが、自分を凄く見せたいという邪念が無い人の場合、成長が早く優秀な弁理士になる可能性を秘めています。50代で特許業界に入ってきて優秀な明細書書きになった弁理士もいます。謙虚でメンタルが安定した人は十分に特許業界で活躍できる可能性を秘めています。(若くても優秀な弁理士になれず業界を去っていった人たちはたくさんいます。知財業界が心底嫌になる前に違う業界へ行くのも良い選択だと思います。若ければ何でもできます。上述した弁理士を辞めた人は30代前半でした)

なお、弁理士の仕事というのはプログラミング等と同じように一人で黙々とする作業ですので、コミュニケーションが苦手な人にも向いています。人とコミュニケーションをとるのが上手いかどうかについては元々の性格も影響しますので、無理に他者に合わせて疲弊する必要はありません。

むしろ多くの弁理士がコミュニケーションが苦手と言っていますが、優秀です。

目立つのが嫌いでヒッソリと黙々と仕事をする職人=弁理士のカッコよさは表に出てくることはないので(ブログもしない、SNSもしない、とにかく自分のことを語らない、良く見せようとしない)、ならば私がそのカッコよさを広めてやる!と思っています。

そうそう、以前受験生から「特許事務所で働く弁理士にはなりたくない。彼らは目がお金の形をしているから」と言われたことがあります。
その気持ちはすごく良くわかります。その方は知財部にいたときに変ににこやかで腰の低い弁理士にばかり出会い、疲れてしまったようです。

お金の話ばかりしている弁理士は一定数いますし、そういう人は見ているだけでこちらが消耗してしまいます。(彼らからしてみたら私のような人は大嫌いでしょう。相容れないので仕方ありません。)

しかし、「カッコイイ弁理士」は確実に存在します。
私は大阪に来てからたくさんの魅力的な弁理士さんたちに出会いました。
東京にいたときに抱いていた弁理士のイメージとかなり違って、笑顔の爽やかな一緒にいて気持ちのよい弁理士さんたちばかりでした。
彼らを招いて小規模なイベントや座談会をすると、とても和やかでかつワクワクとした素敵な雰囲気の会になります。
また、話すのが苦手な弁理士さんたちもたくさんいらっしゃいますが、その頭脳の明晰さを感じられて学びが多いです。目立つのが嫌いなのは逆に言うと謙虚で思慮深いので仲良くなるとこんなに信頼できる人はいません。
(ちなみに東京の弁理士さんたちも当然大好きです。普段なかなか会えないのですが、ありがたいことに大阪に来るときは連絡をくださるので会いに行っています。子どもがいて中々人に自由に会いに行くことが出来ないので本当にありがたいです。今後はこうした話も了承を得られれば書いていこうと思います)

 

また経営デザインシートに戻りますが、経営デザインシートは鈴木先生が作成された冊子に沿って作成しました。その際、「統合思考」のところで私が喜んでいたのを見て、鈴木先生は「福田さんはマネジメントは良いけどマーケティングやネーミングに関しては得意な人に協力してもらうといい」との助言を下さいました。
餅は餅屋。これに関しては他業界の専門家の協力を得るべきだなと思いました。

これからの目標は、たくさんの優良特許事務所を知り、たくさんの若い人を知財業界に呼び込み、知財業界の魅力を高めていくことです。

そして、普段忙しくて疲れていたり同じ仕事ばかりで飽きてしまった弁理士さんに別の活躍の場を与えることができたらと思っています。

また、他業界で一流の方がこの業界に入ってきたら大活躍出来ると思いますし、若い方には早い時期にこの業界に飛び込んでみてほしいと思います。

 

そして私は、弁理士の卵たちを大切に温める親鳥の役を担うと共に、仕事に疲れ心を病んでいる人が多い現代社会において癒やしを与える役割を果たすことが出来たら本望です。