(一般向け記事です。知財学習者向けではありません)

*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事です。

日本でも1,2位を争うほどの人気ゆるキャラふなっしー。
人気者がゆえに、ふなっしーの海賊品もたくさん出回っています。

しかし、つい先日、偽物のふなっしー関連グッズを販売した業者が国内で初めて摘発されました。

 

今までは目を瞑ってきたけど・・・、もう偽物は許さないなっしー!ということでしょうか。

 

下手に訴訟を起こしてしまうと、被害者である側の権利者が「強欲」というレッテルを貼られてしまうので、人気者は権利を主張するのにも一苦労です。

 

さて、千葉県船橋市から正式に許可を貰っておらず勝手にゆるキャラを名乗っているふなっ しーを見て、「ふなっしーは勝手にやって儲けているんだから、俺も儲けてやる。」と考える人もいるかもしれません。

 

「くまモンはライセンス料無料なのに、ふなっしーにはライセンス料を支払わなければいけないなんて嫌だ。勝手にやってやる」という考えもあるのかもしれません。

 

しかし、当然のことながら、権利者に無断でキャラクターグッズを販売すると、知的財産権の侵害になります。

 

ここでいう知的財産権とは、一般にすぐ思いつく著作権のほかに商標権や意匠権というものがあります。
(ちなみに今回摘発されたのは不正競争防止法違反です)

 

ふなっしー(正確には合同会社274LAND)は玩具やお菓子などの指定商品について商標権を有しています。
したがって、無関係の第三者が勝手に「ふなっしー」という語やふなっしーの絵を付したグッズを販売した場合、商標権の侵害となります。

 

侵害者には罰金の支払いのほか、刑事罰の適用もありますし、従業員だけでなく会社も責任を負います。

 

では、くまモンのキャラクターグッズを勝手に販売した場合はどうなるでしょう。
まず、「全くの無許諾で」くまモンのキャラクターグッズを販売することはできません。

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くまモンを利用したい人は、熊本県に対し、事業者登録と利用許諾申請をする必要があります。
また、どんな商品を売るのかサンプル(商品の写真)を送る必要もあります。

 

あまりにも熊本県のイメージを崩すような商品を販売されては熊本県側も困りますからね。

 

ですから、思いついたらすぐに販売開始出来るわけではなく、売りたい!と思ってもまずは熊本県にお伺いをたてなければいけません。

 

しかし、審査はそれほど厳しいわけではないので1ヶ月ほどあれば許諾は降ります。

 

許諾が降りればあとは無償ライセンスで規約どおりにキャラクターグッズを販売できます。

 

熊本県もくまモンについては商標登録をしていますが、ライセンス料は求めていません。

 

事業者に無料でライセンスするのも有料でライセンスするのも個人の自由ですので、くまモンが良くてふなっしーが悪いということはありません。

 

最近よく聞く特許の無償ライセンス(たとえば、今年始めに話題になったトヨタの特許無償開放)も同じような感じで、企業の知財戦略として知的財産権を無償ライセンスしているわけです。

 

いくら無料とはいえ、全くの無許諾で勝手にキャラクター製品を販売してしまうと商標権等知的財産権の侵害となってしまいます。

 

そして、ふなっしーの場合は有料でライセンスしていることから、無許諾でキャラクターグッズを販売すると当然に知的財産権の侵害となります。

 

「ふなっしーは船橋市からゆるキャラとして活動する許諾をもらっていない」ことと「業者がふなっしーにライセンス料を支払う義務」については何の関連性もないわけです。

 

というわけで、GUCCIやヴィトンのようなブランド品の海賊品を販売してはいけないのと同じように、ふなっしーの無許諾のキャラクターグッズを勝手に販売することも知的財産権の侵害となってしまいます。