難関資格試験合格後、幸せなずなのに苦しいのは何故か

今年の弁理士試験最終合格発表があってから2週間程経ちました。
徐々に合格の感動が薄れてくる頃です。
同時に、人によっては別の悩みが生じてくる時期でもあります。

「別の悩みが生じてくる」と書きましたが、「忘れていた悩みを思い出す」と言った方が良いかもしれません。

資格試験に没頭している時期は基本的に試験のことばかり考えているので、その他の悩みについては考えている暇がありません。
特に、「仕事ができない」「職場の人間関係が嫌」という悩みは、「難関試験に合格すればどうにかなるはず」という期待で消されます。
結果として、試験合格後の有り余る時間を堪能すべき時期に過去の悩みが一斉に降り掛かってきます。

これは辛いです。
「試験に合格できるかな・・・」という不安が無くなった代わりに、別のもっと重い悩みで頭が支配されてしまうのですから。

こうした悩みは解決が難しいものであることが多いようです。

・仕事ができない(簡単には仕事ができるようにはならない)
・上司または同僚との人間関係が嫌(転職してもまた人間関係で苦しむかも)
・孤独(でも新しい人間関係を築くのが苦痛)
・配偶者からの要求が大きくなった(合格して時間あるんだからあれもこれもやってほしい)。勉強を理由に家事や育児から逃げていたけど、もう言い訳を使えない。
・そもそも自分には知財の仕事が向いていない(弁理士試験に受かったのに絶望的・・・)

上記のような悩みは深刻ですが相談相手がいません。
仕事の悩みを家族に話しても理解してもらえないし、恋人や家族と上手くいっていないことを他人に話すのは憚られます。
したがって、悶々と一人で長時間悩み続けることになります。

下手をすると数ヶ月〜数年間悩み続けることになります。
人に頼るのが下手な人ほど長期化します。
すると、鬱っぽくなってきます。

こうなると遅いので、早めに精神科を受診することをお勧めします。
ただし、精神科に抵抗がある人はまだまだ多いと思います。
なので、問題が深刻化する前に気持ちを吐き出す場所を必ず作ってください。

毎年ごく少数の方がたからこうした悩みを相談されます。
ご相談されてくる方は、みなさん文章がきちんとされていて私に対しても、すごーく気をつかった文章を書かれます。
軽い感じの文章ならあまり気にしないのですが、丁寧な文章であればあるほど社会人として立派だなと思うと同時に、悩みが根深そうだと心配になります。
実際にお話をしてみると、思いやり深く性格的に好ましい方々ばかりです。

残念なことに、私は悩みへの特効薬を持っているわけではないので、お話を聞いてもただ気分を楽にしてあげることくらいしかできません。
なので、「上司と話すと汗が止まらない」といったように明確なSOSが出ている場合には、すぐに精神科へ行って薬をもらってください。
薬を飲むと楽になります。
ただし依存性があるので気をつけてください。

「肉体的になにか異常が出ているわけではないけれど精神的にしんどい」場合には、話し相手くらいにはなれますのでお問い合わせください。

「自分の気持ちを誰かに話す」ことによって心の重荷が減ります。
ただし、明確な解決策は示せないので期待はしないでください(^^;

解決をするのは本人です。本人が他者に話しながら無意識のうちに自分で問題を解決しています。面白いですね!