今日、2015年12月18日に特許庁でスマートフォンのアプリデザインの意匠保護について有識者会議が開かれるそうです。

*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事です。実際に書かれたのは2年ほど前です。

これは、以前から言われていたことなので特段目新しいことではなく、ようやく意匠権で保護されるようになるのか、といった感じです。
アメリカや欧州、韓国などでは既に意匠権による保護はされていますので。

 

 

意匠法とは何か簡単に説明すると、特許権や商標権、著作権と同じように知的財産を保護する法律です。
意匠法では、主に物品の外観(デザイン)を保護します。

 

9年前の意匠法改正で携帯音楽プレーヤーなどのデジタル機器の表示画面が保護されるようにはなりましたが、アプリの画面デザインは対象外でした。
そのため、アプリのデザインを保護してもらいたいアプリ開発業者たちは、著作権や商標権に頼ってアプリデザインを保護していました。

 

しかし、著作権法は権利侵害の認定が難しく、有効に機能してはいませんでした。
今回の見直により、スマホやタブレット、パソコンなどで表示されるアプリのデザインやレイアウトなどが意匠登録を受けられるようになります。

端末メーカーやソフト会社だけでなく、アプリ開発のスタートアップや個人起業家などにも魅力的な制度となります。類似デザインを使った他社のアプリを意匠権侵害として差止や損害賠償請求ができますからね。

スマートフォンやタブレットでは、アプリのアイコンデザインは非常に重要です。ゲームなどをダウンロードするかどうかは、パッと見ただけで決めることが多いですから。

そのため、優れたアイコンのデザインは容易に真似されてしまいます。

今回の制度を利用して、適切にアプリのアイコンデザインを保護してください。

 

また、同時に商標登録を受けることもお勧めします。

保護範囲が異なってきますし、商標権の場合は登録日から20年間と言わず、半永久的に保護されますから。

アップルなどはアプリのアイコンについて複数商標権を取得しています。これから意匠登録出願もすることでしょう。

一見ありふれたデザインに見えますが、こんなデザインでも商標登録されるんですね。

アプリのアイコンが意匠法で保護されるからにはアプリディベロッパーにはぜひ優れたデザインを早期に出願して独占権を得て欲しいと思います。

なにせ、意匠権の保護期間は意匠登録の日より20年間もありますから・・・。

デザインの移り変わりの激しいこの分野で20年間もの独占排他権を取られてしまうと、競合他社は独自性のあるデザインを打ち出すのにかなり苦労しますからね。

 

ところで、最近は「電話」というものを見たことがない子もいると思うので、通話アプリによく使われる受話器の絵は使わずに、変わったデザインをすると独自性を打ち出せるかもしれませんね。

スマホ専用アプリとして唇の絵や吹き出しの絵、キーボードの絵などのデザインをしておくといいかもしれませんね?!

 

あ、でもショートメッセージのアイコンがすでに吹き出しでしたね(^^;

 

そうそう、今回はスマホやタブレットのアプリのアイコンデザインが保護されるようになるだけで、ウェブサイトの画面デザインなどは保護されません。