*この記事も2年ほど前に書かれたものです。

第一話が視聴率16%を超えた下町ロケット。

第2話を心待ちにしている人も多いことでしょう。

 

さて、待望の第2話。

 

帝国重工の社長が、佃航平の発明にかかる特許権をライセンスしてくれるようにお願いします。

 

これに対し航平は・・・

 

 

というお話なのですが、第2話を見る前に、少しだけ特許の活用の仕方についてご説明いたします。

 

現実だったらどうするか、エンターテイメントとして面白くするためにはどうすべきかという2つの視点から見ていきます。

 

まず大前提ですが、特許権は知的”財産”権なので、売買出来ますし、他人に貸してライセンス料を受け取ることも出来ます。

また、自分だけが特許発明を独占して他人には使わせない、ということも出来ます。

 

さて、「佃航平」という猪突猛進型で情熱に向かって頑張り過ぎてしまう、そんなキャラクターは、特許権をどのように活用するでしょうか。

 

「自分だけが独占する」という答えは、航平の性格には合わないように思えます。

また現実的でもありません。少なくとも私は、絶対にそんな使い方は勧めません。

 

では、特許権を帝国重工に売るのはどうでしょうか。

現実問題としては有りです。特に資金繰りに困っているときなら有効な手段です。

 

しかし、必死で発明した技術を高額とはいえあっさり売ってしまうのはストーリー的につまらないでしょう。

 

読者や視聴者が航平に感情移入してくれなくなってしまいますし。
「なんだ、お前の夢ってその程度だったのか?見損なったぜ」みたいな。

 

特許権を帝国重工にライセンスするというのが現実では最も優等生的な答えでしょう。

 

しかし、ストーリー上、ライセンスするというのもつまらないでしょう。

航平が計算高い男に見えてしまいますし。

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まあ、葛藤するシーンがあればライセンスもOKなのかもしれませんが、ものづくりに情熱を傾ける不器用な男のすることではありません。

 

航平はあくまでも「夢」の実現を優先する男でなくてはいけません。

 

そこで、ストーリーを一番面白くするためにはどうするか。

 

 

・・・特許発明にかかる部品を自社実施して、帝国重工に納入する。

 

これしかないと思います。

 

知財の活用法としては、ライセンスの方が効果的です。

 

 

しかし、”話を面白くするため”及び”航平らしさを出すため”には、
これしか答えはありません。

 

航平のブレインである弁護士や弁理士が「社長、ここはライセンスにしておきましょう」と助言しても「いや、うちで創るんだ!」と押し切るのが情熱型社長の在り方です。

 

公私混同したワンマン社長と叩かれようが、社員に「現実を見ろ」と言われようが、航平はものづくりをしなくてはいけません。

そんな姿を視聴者は望んでいるのですから。

視聴者は「特許戦略の成功事例」なんかをドラマに求めていません。

山あり谷あり虐められ傷つく航平の姿を見たいのです。

 

帝国重工の社長に、「金なんかいらん。宇宙飛行士として搭乗させてくれ!」
と交渉することもできるでしょう。

 

娘も一緒に搭乗して父娘で月へ行くということもできます。

 

そして、月に「佃ムーン製作所」を設立することもできます。
人類初の試みです。

 

しかし、それではトンデモ過ぎてリアルさが亡くなってしまいます。
ドン引きした視聴者は二度とドラマを見なくなるでしょう。

この展開は下町ロケットがアニメ化したときのために残しておきましょう。

というわけで、リアルさを失わず、しかし、フィクションとして面白くするためには、航平は、ものづくりをしなければいけないのです。