コミケで本を撮影する人を追い払うことは出来るのか

コミケでの売り手側の悩み事といえば、マナーやモラルのない買い手の存在でしょう。
パラパラ読んで表紙を曲げてしまう。食べ物で汚れた手で本を触る。飲み物の雫を垂らす。ナンパをしてくる。etc…

例を挙げたらキリがありません。

中でも今回は知的財産権に関わるマナー違反について述べてみたいと思います。

 

コミケでは本をスマホで撮影してくる人がいますよね。
表紙だけを撮影する人もいれば中を開いて中身を撮影する人もいますし売り子さん込みで撮影する人もいます。

これに対してはどのように対処すれば良いのでしょうか。

表紙の撮影について

まず、表紙の撮影ですが、私の個人的見解としては「表紙くらい撮影されてもいいかな」です。

なぜなら、「◯◯の本出てた〜。嬉しい!場所はここ。」というようなSNSの投稿をしてもらったら宣伝になるからです。

でも、流石に無言で撮影するのはマナー違反だと思います。せめて一言「表紙を撮影してもいいですか?」と尋ねるべきでしょう。

本の中身の撮影

次に中身の撮影ですが、これは止めてほしいですよね・・・。

でも、著作権法的には本の中身を撮影することに違法性はありません。私的複製(著作権法第30条)に該当するので。
(ただし、その画像をSNSにアップすることは著作権の侵害となる)

デジタル万引きという言葉もありますが、窃盗罪(刑法235条)にも該当しません。

でも、やってほしくありませんよね。

ですから、中身を撮影してほしくない人は、その旨をブースのどこかに注意書きとして表示しておくと良いと思います。
注意書きがあるにもかかわらず中身を撮影してくるような人には「中身の撮影はお控え下さい」と伝えることが出来ますし、それを無視して撮影するようなら「画像を削除して下さい」と伝えることも許されるでしょう。

それに従わない場合にはどうしたら良いでしょうか。

 

私だったら、本の中身を撮影した人にスマホを向けるかもしれません。

その時点で、撮影者は怯むでしょう。
怯んで逃げるかもしれません。

でも画像は残ったままなので嫌ですよね。
ですので、相手を追いかけて「画像を消して下さい」と再び伝えることも良いでしょう。

また、逃げる姿をスマホに撮っておくのも良いかもしれません。

後にSNSに本の中身がアップされたときに犯人逮捕の証拠となるからです。(もちろん肖像権の侵害とならないように、”犯人”の肖像をSNSにアップする場合には気をつけて下さい)

そこまでするのは物騒だなと思われるかもしれませんが、本の中身をアップされてしまったらこちらが被害を受けるのですから犯罪を未然に防ぐためにもこれくらいしても良いと思います。

相手が実際にアップロードしてしまった場合には損害賠償請求をすることもできますが、面倒なので侵害される前に防ぐのが一番です。

また、そもそも無許可で本の中身を撮影するような人って、業務妨害をしているので、業務妨害罪に問えるでしょう。

大体、買わないで中身を撮影するだけの人って、ファンではなくアンチで晒すために撮っている可能性も高いので画像削除を要請するのは当然の権利とも言えるかもしれません。

 

売り子込みでの撮影

コスプレをした売り子さんが本やグッズの販売をしていることもあります。

そんな人を勝手に撮影することは肖像権の侵害となってしまいます。

きちんと許諾を得てから写真を撮らせてもらいましょう。場合によっては一緒に写真を撮ってもらえるかもしれませんしね。

 

個人的見解

他の法律に比べると著作権法は時代の流れに追いついていない面があります。

ここからは個人的見解ですが、写真を撮られた時点でいつでもSNSにその画像(本の中身)をアップロード出来てしまうので、送信可能化権に準ずる条文があってもいいなと思います。

そんな法律が整備されたら、「無断撮影は著作権侵害」と言えますからね。

もちろん賛否両論はあると思いますので、あくまでも私の個人的意見です。