今日は5月27日。
32年前の今日、ドラゴンクエストが生まれました。
ということで、今日はドラクエ絡みの知財のお話をしようと思います。
(以下、スクエニ以外へのリンク先は私の知財説明サイトです。)
まずは、ちょっとしたことですけど、一昨日書いた通り、ドラクエの曲が、JASRAC賞の銀賞に輝きました。
このJASRAC賞というのは、著作権使用料の分配金が高い順に与えられる賞です。
これで、銀賞(2位)というのはすごいことです。
つまり、それだけ多くの人がドラクエの曲を演奏したということですからね。
次は、著作権収入の話よりも、もっと身近で重要なゲーム画面の画像キャプチャの話をしましょう。
まず、原則として、ゲームの画像というものは今あなたが読んでいるこの文章と同じように著作物であり、著作権法で保護されるものです。
したがって、無断でブログに載せたりTwitterでつぶやいたりすると、著作権侵害となってしまいます(著作権法21条、同23条)。
ただ、これは原則としての話。
ドラクエの場合は話が変わってきます。
というのも、「利用規約が変わった」からです。
発売してからしばらくの間は、ドラクエⅩの著作権管理は厳しく、ドラクエ10の画像や動画を無断でブログやyoutube、ニコニコ動画などに投稿することは禁止されていました。
しかし、発売後数年経った2017年7月から方針が変わりました。
「著作権者表示をする」
「公開した内容の二次利用は行わない」
「他のユーザーを誹謗中傷しない」
「ネタバレの可能性があるときにはネタバレありとの表記をする」
「過度に編集した画像、動画の公開は行わない」
「ラスボス討伐後の動画の配信はしない」
といった一定の決まりさえ守れば、ドラクエ10の画像をブログにアップしたり動画を動画投稿サイトに投稿することは許されることになりました。
コピーライト表記例(C)2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.(C)SUGIYAMA KOBO(P)SUGIYAMA KOBO
(ちなみに、ブログ等では上記のコピーライトは表記すべきですが、文字数制限があるTwitterではコピーライト表記は免除されます)
これにより、ユーザーフレンドリーになっただけでなく、著作権者であるスクエア・エニックス等にとっても広告宣伝効果が増し、win-winの関係になりました。
ドラクエの他のゲームはどうかというと、任天堂のゲームは基本的にスクエニと同じような利用規約です。
インターネットで検索すると、マリオやリンクの画像がたくさん見られますよね。
このように、ドラクエや任天堂のゲームの場合は安心して動画を投稿したりできるのですが、他のゲームの場合は無断で動画を投稿したりすると著作権侵害になる可能性があるので注意が必要です。
したがって、面倒でも、画像や動画を利用する前に、各ゲーム毎に必ず利用規約に目を通しておきましょう。
そうそう、上述しましたが、「ネタバレ」については、自主的に「ネタバレ有り」と一言入れておくべきです。
そうしなくてはこれからプレイする人の楽しみを奪うことになってしまいますから。
特にクリア後の内容などは、著作権的に問題は無くても「ネタバレ」と表記した方が親切です。(昔のドラクエなら、もう時効と考えてしまってもいいでしょう。)
ペルソナのように謎解きの要素があるゲームなどは特に気をつけないといけません。
(ペルソナについてはなぜか海外でだけ著作権が緩くなっていますが・・・)
なお、ゲーム実況動画については、ゲーム実況をしている人の声が入ったり、画像に加工が施されている場合があるので、その実況をしている人に著作権が発生します。
これを二次的著作物と呼びます。
ドラクエの画像や動画自体をブログ等にアップすることは許されているのですが、二次的著作物の場合は、その動画を創った人に著作権が発生するので、他者がその動画を利用することは許されません。
最後に、ファンがやりがちだけど絶対にやってはいけないことを一つ説明したいと思います。
それは、タイトルのロゴをそのまま使わないということです。
ドラクエのロゴってかっこいいですよね。
自分のブログのロゴに使いたいですよね。
・・・でも、それをしてしまうと商標権の侵害になってしまいます。
さっきまで著作権の話をしていたのに突然商標権ってなんやねん、と思われそうですが・・・。
商標権というものは知的財産権の一つで非常に重要なものです。
知的財産権ブログとしては著作権以上に注意を喚起しなければと思い、最後に書かせていただきました。
・・・というわけで、ドラクエファンの皆様、著作権侵害を過度に心配することなく、ドラクエを遊び尽くしてくださいね!
けれど時はすでに遅しって所でしょう。ドラクエ初期の頃からとにかく著作権には厳しかったし訴訟乱発で雑誌などを震え上がらせてきた。この点、比較的著作権に寛容なFFシリーズとは好対照です