何度もしつこいですし、今更ですが、やはり、著作権の保護期間は短い方がいいと考えています。

文化の発展のためだけでなく、遺族の名誉のためにも短いほうがいいと考えるようになりました。

この考えに至る上で、参考にした事例があります。

 

北九州出身の詩人、宗左近氏の妻である香氏が亡くなりました。

彼女は亡くなる前に遺言として、宗左近氏の作品の全ての著作権と遺産約2800万円を北九州市立文学館に遺贈する旨を伝えていたそうです。

 

北九州市立文学館には宗左近氏の業績を伝えるコーナーがあり、様々な手段で宗左近氏の作品とその名声を後世に残すために努力してくれそうです。

宗左近氏の著作権が切れるのは何十年も先であり、それまでは北九州市立文学館が著作権料を受け取ることができます。

そのため、著作権を得た北九州市立文学館は自身の収入をアップさせるためにも、積極的に宗左近氏の作品をPRしてくれることになります。

 

これがもし、遺言で著作権を遺贈することにしていなかったら、宗左近の作品のPRをしてくれる人がいません。

そのため、相続人がいない場合には、著作権を遺贈するというのは著作者の名誉を守る上で効果的であると考えます。

 

では、相続人がいる場合はどうでしょうか。

 

実は、相続人がいる場合でも、著作権は適切に管理してくれる他者に譲渡してしまったほうが著作者の名誉のためには良い場合もあるのではないかと思います(あくまでも、私福田個人の意見です)。

 

なぜなら、相続人はそれぞれ仕事を持っているでしょうし自身の仕事に専念するためには、著作者の作品のPRをしている時間などないと思われるからです。

 

もちろん、親の七光というイメージを持たれてしまうデメリットはありますが、子供や孫が亡き著作者の作品の後世に伝える事業をすることもできます。

 

しかし、そういったケースでない場合には、やはり、専門的な機関に著作権の管理と作品のPRをお願いした方が効果的であると考えます。

 

そこで問題となるのが、

 

お金

 

です。

 

 

人はお金が絡むとおかしくなってきます。

よほど有名な作家等でなければ別ですが、仕事も印税などが入ってくることを考えると、相続人は容易には著作権を他社に渡したいとは考えないでしょう。

 

すると、相続人自身で作品のPRをしなければならず、すると、どうしても手間暇がかかりすぎてしまいます。

 

結果として、著作者の作品は埋もれてしまいます。

 

しかし、これがもし著作権の保護期間が特許権並に短かったらどうでしょうか。

 

相続人の中には、著作権収入はいらないから、故人の名誉を守ってほしい。名声を広めてほしい。と考える人も増えてくると思います。

 

すると、相続人にお金は入ってきませんが、著作権をもらった人が故人の作品を広めてくれるため、名声の恩恵に預かることができます。

(もちろん、名声よりも金をくれ!という人もいるでしょう)

 

さらには、20年経過後に一般人の中からその作品のファンが積極的に広めてくれることも考えられます。

この場合は著作権料は入りませんが、同じように著作者の名声は広まります。

 

ですから、著作者の名誉の保護のためには、実は著作権の保護期間は短いほうがいいだろうと考えたのです。

 

もちろん中には名声なんかどうでもいいから金をくれ、という人もいるでしょう。

 

これはこれで良いと思いますが、子供のためには多額の遺産はいらないと思います。

むしろ、多額の遺産があるためにダメ人間になってしまうことを考えると遺産なんか無い方が良いという考え方もできます。

(こう考えて、5億円もの特許収入を九州大学にあげてしまった中本博雄さんという方がいます。)

 

著作権の保護期間については様々な考えがありますが、私は50年でも長すぎると思っています。

 

そして、死後も著作者人格権が残ることを考えると、著作者の名誉を広めることとの整合性も考えて、やはり、著作権の保護期間は短いほうが文化の発展に寄与すると考えます。

(個人の著作権を会社に譲渡することもできることからいろいろな考えが派生するのであって、個人や会社の著作権を切り分けて考えるとか何かうまい方法があれば一番良いのですけどね。

 

たとえばディズニーのように一人で著作権を保有しているわけではない場合には100年でも200年でも会社が存続する限りは永続的に著作権を保護してほしいと考えて当然ですし。)

 

まあ、そもそも作者の死後は著作権収入なんてそんなにたくさん入ってくるわけではないし(やはり現役の作家の方が強い)、普通の作家さんにとっては、むしろ先人の著作物が早く使えるようになったほうがメリットが大きいのではないかと思う次第です。

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