昨日近くのスーパーに行ったら、入り口近くに「ボージョレ・ヌーボーコーナー」が設けられていました。
*例の通りこの記事も旧ブログ「問題解決中」からの転載です。

 

そういえば、もうすぐボージョレ・ヌーボーの解禁日なんですね。
今年は11月19日です。

 

私はワインを全く飲まないのでワインに関してはさっぱりわかりません。

ですが、ワインと知財は関連があるので知財と絡めたお話をしたいと思います。

(あ、そうそう、以前「小6少女ゴミ箱の発明」でコメントをくれたこの少女のお父さんの職業はソムリエなんだって!)

商標法には、

「日本のぶどう酒や蒸留酒の産地のうち特許庁長官が指定するものを表示する標章を有する商標であって、その産地以外の地域を産地とするものについてはその登録ができない」という規定(商標法第4条第1項17号)があります。

 

TRIPS協定23条を担保するために定められた規定です。

 

特許庁長官はぶどう酒等の地理的表示について指定を行う権限があり、その指定を受けた地域名をマークに用いたぶどう酒等を他の地域産のワインに登録するということはできません。

たとえば、「山梨」はぶどう酒産地として特許庁長官に指定されているので、他の地域で作られたぶどう酒は「山梨」や「山梨ワイン」で商標登録を受けることができません。

 

他にも、鹿児島県の焼酎以外に「薩摩」や沖縄県の焼酎以外に「琉球」、長崎県壱岐郡のしょうちゅう以外に「壱岐」も商標登録を受けられません。

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また、世界貿易機関の加盟国で、その地域以外のぶどう酒に使用することが禁止されている商標を、その産地以外の地域を産地とするぶどう酒に付けて商標登録出願しても登録されません。

 

つまり、「ボージョレ・ヌーボー」はフランスでボジョレー産以外の産地のぶどう酒に付けることは禁止されているため、これをボジョレー地区以外の産地のぶどう酒に付けて商標登録出願しても登録されません。

 

なお、皆がその商標を使用することによって、「普通名称化」してしまった商標もあります。

 

そのような商標でも、不正競争防止法で保護されることがあります。

 

ぶどうを原料又は材料とする物の原産地の名称であって、普通名称となったものであっても、著名表示冒用行為や周知表示混同惹起行為、原産地表示誤認惹起行為などの対象となりるという規定がありますから。

 

つまり、「ぶどうを原料とする物(ワインなど)の原産地の名称(例えば、ボージョレやブルゴーニュ、シャンパンなど)が普通名称化したとしても、勝手に使うと、不正競争防止法の不正競争行為になります。

 

というわけで、ワインや日本酒を造っている地域の方は、他の有名ブランドに便乗した名称を付けてしまうと商標権など知的財産権を侵害してしまう危険性があるので、気をつけてください。

 

地域のぶどう酒などが有名になった場合には、一定の書面を特許庁長官に提出することによりそのお酒の保護が図られる可能性があります。

 

また、地域団体商標としての商標登録出願の可能性も考えられます。

 

商標の保護は経営戦略上、非常に重要です。
自分の地域のお酒の名称を無関係の第三者に勝手に使われたら売上が落ちたり信頼を失うことに繋がりますから。

 

しっかりと知財戦略を練って商標登録出願等をすることをお勧めします。