「知財がなければ成功できない」
そんな話を聞いたことがあると思います。

 

これは事実です。
優れた会社には必ず優れた知財があります。

もし外から見て、それが無いように見えたら、知的財産権になっていないだけで、会社内部には必ず知財が存在します。

 

しかし、「優れた知財」どころか「普通の知財」すらない・・・。そう悩む経営者も多いことと思います。

 

こんな問題を解決するにはどうしたらよいのでしょうか。

 

 

まず、第一に「本当に優れた知財はないのか」ということを改めて考える必要があります。

 

知財、すなわち知的財産は無体であるがゆえに目に見えず、会社内に眠っていても気づかないことが多いのです。

いえ、訓練を積んでいない限り、「知財に見えない知財」に気付くことなんてできないでしょう。

 

したがって、「知財を見つける目」を養う必要があります。

これについては過去のブログで詳しく述べているので割愛します(2017年7月現在ブログの復旧作業中なので次第に記事を読めるようになると思います)。

 

第二の問題は、「知財はあるのに活用できていない」ということです。

 

特許や商標権、著作権だけでなく、知財には実に様々な種類があります。

 

これらの知財を活用することは、知的財産権を取得するよりもずっと困難です。

知的財産権が欲しければ買うなり出願するなりすれば手に入れることはできるのですから。

 

しかし、「保有している知的財産(権)を活用する」には、その分野に精通していたり、適切なタイミングを選ぶ必要があります。

 

このように、知財がない、あっても活用できていないという問題はなかなか解決できることではありません。

 

では、どうしたら少しでも多くの知財に気付き、知財を生み出し、知財を活用できるのでしょうか。

 

私がお勧めする最も良い方法は、「会社内に知財が花開く土台を創る」ということです。

 

知財というものは人の生み出すものです。生み出すことは困難とはいえ、だれでも創出できます。

 

そのためには、すべての人材が知財を創出しやすい土台を会社内に根付かせるのです。

 

これにより、社員の意識が変わります。知財経営の第一歩です。

 

いきなり社長命令で「今日から知財経営をする」といっても社員の頭には「?」が浮かぶだけで一朝一夕には変わってくれません。

口を酸っぱくして毎朝、朝礼で話しても無駄です。

 

しかし、会社の風土が変われば自然に社員も変わるのです。

 

私は社員研修を通じて会社に知財経営を浸透させるお手伝いをさせていただいておりますが、最初はいやいや研修に参加していた人たちも、知財を生み出す面白さに気付くと、目が輝き始めます。まるで子供のように。

 

そして、その爽やかな風と会社の土台と社長からの励ましにより、会社にはいつのまにか知財が花開き、知財経営ができるようになっているのです。

 

このように、知財になり得る小さな種が花開くには、地道に土を耕し、風を送り込み、水を与えるという作業が必要なのです。