デザイン思考で未来を創る方法

特許庁はデザイン経営を重視する方針を打ち出しています。
そして、種々の企業でもデザイン経営を採り入れようとしています。
そのための方策の一つが、デザイナーを経営層に近い場所に登用するということです。

しかし、私は、デザイン経営のためにはデザイナーだけでなく、エンジニアの意見を経営にすぐに反映できるようにすること、そして経営者自らが妄想することもデザイン経営になるのでは、と考えています。

なぜなら、現在の妄想が未来を創るからです。

 

未来と聞くと、無意識に一本の時間軸を想像してしまいませんか?

レールがあって、その上を時間が流れている、そんなイメージを持っている人が多いのではないかと思います。

 

もしそうだとしたら「運命論」が成り立つことになります。

 

だから、運命論者は「どうせ自分は・・・」と物事をネガティブに捉え、運命を受け入れて生きるという生き方を選択してしまいます。

 

しかし、未来は一本の時間軸の上を走っているものではない。と考えてみたらどうでしょうか。

 

未来は宙に浮かぶキャンバスで、思い描いたことが未来になるのだとしたら?

 

たとえば、ドラえもんの秘密道具の多くが実現されています。

これは、漫画家が偉大で未来を見据えていたから未来の発明を描くことができたのでしょうか?

 

そうとは言い切れませんよね(漫画家が偉大というところは合っていますが)。

 

漫画家が思い描いた未来をエンジニアたちが実現したのですよね。

子供の時に読んだ漫画に出てくる道具を自分で作り上げてみたかった。
そんな野望のおかげで空想の中の発明が具現化したのだと思います。

 

そう考えると、「現在の思考が未来を創る」ということは真実と言っても良いのではないかと思えます。

特に、空想として軽視されがちな漫画にこそ、人の根源的な欲求が現れていると思います。

 

SFでは、「未来に起こり得る危険な事態」を想像して、それに対する解決策を提示します。

たとえば、人口増加⇒火星へ移住 などです。

こうして、未来の創造と未来の問題解決をすることにより、今だけを見ている他社よりも一歩先の技術を達成しやすくなるでしょう。

 

さて、漫画の中のものが現実化されると言いましたが、現実化されたのはドラえもんや鉄腕アトムの世界のように遠い未来のものだけではありません。

近未来を創造している漫画もあります。

 

たとえば、宇宙兄弟。

これは私の大好きな漫画で過去に何度も採り上げています

宇宙兄弟はそんなに遠い未来ではなく近未来を描いた作品であり、かなりリアリティがあるので本当に現実化できそうに見えます。

 

主人公の六太は元ミラクルカー(自動車会社)の従業員で、空飛ぶ車を構想した人物です。
六太は宇宙飛行士になってから、後にミラクルカー社の協力を得て月面自動車開発をすることになります。

 

六太みたいな人がいたら・・・

自動車会社が月面を動き回る車を開発できたら・・・

 

そんな風にワクワクしてしまいます。

 

同じようなことをトヨタの人も考えていたようです。

宇宙兄弟の世界を現実化しそうなプロジェクトをトヨタが手がけているというニュースを昨日見ました。

トヨタ 月へ行く

これって、宇宙兄弟を絶対に意識していると思うのです(違ったらすみません)

 

上述したように、人って、大好きな漫画に描かれていることを現実化したいと思ってしまうものだと思っています。

ですから私は、経営者を始め、エンジニアとデザイナー、その他の多くの人が一丸となって未来を創造すれば、夢のあるデザイン経営が出来ると信じています。

 

新製品やサービスを創る方法としては、

①将来起こりそうな病気や社会問題を妄想する。

②それに対する解決策を考える。

③具体的な商品やサービスを創る。

④現代における問題に視点を向けてプロダクトの修正をする。

 

というプロセスを踏むと、現実的に役立つ物が作れるでしょう。

ダイエット業界とか介護問題とかに当てはめると・・・ほら、何か見えてきませんか?

 

たとえば、

①将来深刻な食料不足になるかもしれない

②身体を維持するのに必要な栄養素を集めた食品があればバランスの良い食事をする必要がないかもしれない

③ドラゴンボールに出て来る仙豆みたいなのがあればいいな

④完全栄養食品を作ろう!

 

という感じで完全栄養食品を作ることも出来るでしょう。

なお、③の部分は違いますが、自身の飢餓経験からsoylentという完全栄養食品を作り出した若手起業家がいます。

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このsoylentだけを食べていれば身体を維持することはできます。
しかし「食べる楽しみ」は無いので(不味いらしい)、現在ではダイエット食品として販売されています。

痩せる喜び > 食べる楽しみ の人ならば、これだけを食べて我慢すれば健康的に痩せられるのでしょう。

 

こんな風に見てくると、漫画って未来を創り出しているのかもしれませんね。

 
(3月27日追記;なお、完全食は今ではCOMPやベースフードなど美味しくて栄養抜群のラインナップが揃っています。
そして、今日日清食品からパスタの完全食が販売開始されました。見た目普通のパスタなので気になります!美味しいのかな?
栄養ホールディングプレスという特許出願中だって。調べなきゃw)
 

宇宙兄弟の話に戻りますが、私は福田さんというキャラが大好きです。名字が一緒だからということもあるけれどw、彼の生き様があまりにも素敵だから。

家庭が崩壊し、54歳という高齢で宇宙飛行士を目指しながらも選抜試験に落ちるという逆境の中での彼の生き方が50代で弁理士試験に落ちた人たちの姿と重なってしまって胸が熱くなってしまう・・・!

50代の人から知財業界でのキャリア相談を受けるときには、福田さんの生き方「夢見た宇宙飛行士以外での生き方(宇宙飛行士だけが主役じゃない。エンジニアとしてやれることがある。)」を参考にしていたりします・・・?!


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デザイン思考と言いつつ、漫画の話に終始していますね・・・(ーvー;