4ヶ月ほど前に話題になった事件の裁判の結論が出ていました。

 

どんな事件かというと、「かっぱえびせんのキャッチコピー“やめられない、とまらない!”を考えたのは私だとして、キャッチコピーの生みの親が1億5,000万円の損害賠償を求めてカルビーを提訴」した事件です。

 

金額の大きさと有名なキャッチコピーであることから、記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。

 

法律問題というよりも、その話題性から、当時は、日高欽治氏に対してのバッシング及びカルビーに対してのバッシング双方が巻き起こっていました。

 

 

事件の内容をもうちょっと詳しく述べると、原告である広告代理店「大広」の元担当者・日高欽治氏(80)が、「テレビ番組や新聞記事では、“コピーは(カルビーの)社員が考えた”と紹介」していたカルビーを、事実と異なるとして1億5,000万円の損害賠償を求めて訴えました。

 

日高氏本人は自分に著作権があるとは思っていなかったようです。

 

それならば訴えるよりも他に何か方法はなかったのかなと思ってしまいますが・・・。

 

まあ、カルビー側も原告の望むような措置をとってくれなかったので訴えるのもやむなしと思ったのでしょう。

 

ただ、それでも私としては裁判以外で有名キャッチコピーの創作者の名誉やクリエイターの意志を尊重する方法は無かったのかなと残念に思っています。

 

 

裁判に勝てば良いのですが、負けた場合のダメージは計り知れないものがありますから(特に、ネットでは悪く言う人も多いため。全く関係のない人が口汚く罵るということは匿名のネット社会では日常茶飯事です)。

 

ただ、「誰が本当の創作者かということを認知させたかった」のであれば、この騒動で日高氏の名前は一般にもかなり認知されるようになりましたから、裁判の結果はどうであれ、効果的だったと思います。

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一番良いのはカルビーが「名キャッチフレーズの生みの親」として社内報に掲載すること&日高氏は金銭を請求しないことだったと思いますが、もう過ぎたことですしこれ以上言うのは止めておきます。

 

 

さて、事件の結果です。

 

 

結論は、

 

「却下」

 

でした。

 

平成30年3月26日判決言渡
平成29年(ワ)第25465号 著作者人格権確認等請求事件

 

原告である日高氏の主張。(リンク先判例pdf.からの引用)

被告が,日本テレビをして本件番組を放送させ,また,毎日新聞をして本件新聞記事を掲載させたことにより,実質的に,本件CMを制作した者として認知されている原告を盗作者呼ばわりしたといえる。そうすると,被告が,本件番組を放送せ,本件新聞記事を掲載させた一連の行為は,原告のクリエイターとしての信用と名誉を毀損する不法行為に当たる。

 

裁判所はカルビーの行為は名誉毀損にも当たらないとしています。

 

信用力のある企業に個人が一人で弁護士も付けずに立ち向かうのは無謀とも言えます。

 

もちろん、原告側にはっきりとした正当性(コピーが著作物として認められたり、カルビー側が許容範囲を超えて名誉を害することをした等)があればよいのですが、何分、大昔のことですし、証言者の記憶もあやふやなところがあったでしょうから、裁判所としても考えた結果、こんな結論にしたのではないかなと思います。

 

この結果によって、原告であるキャッチコピーの生みの親には訴訟費用の支払い義務が残ることになってしまいました。

 

優秀なクリエイターが裁判の結果によって名誉を回復する機会も与えられず堪えるしかないという結果を考えると、やはり、どうにかして裁判以外の方法でクリエイターとしての名誉を得られる何らかの方法があればよいな・・・とつくづく思いました。