この記事をシェアしよう!

*この記事も2年ほど前の旧ブログの記事です。

医薬品業界を驚かせる最高裁判決が出ました。

今までは、成分や効能が同じ医薬品の場合、「同一の物質」として延長登録出願は認められていませんでした。

 

しかし、同一成分でも、用法・用量が異なれば特許権の延長が認められることになりました。

 

抽象的な言葉だけで説明してもわかりにくいと思うので、この最高裁判決が出る前の背景から説明いたします。

 

 

米製薬(バイオ)大手のジェネンテックが2003年、抗がん剤「アバスチン」の特許査定を受けました。そして、2007年に体重1キロ当たり5ミリグラムまたは10ミリグラムの用法・用量で厚生労働省から製造販売の承認を受けました。

つまり、4年の間特許権は有していたものの、製造販売出来ないという事由がありました。

ここで、特許法には延長登録出願制度(特許法67条2項)というものがあります。

これは、薬事法に基づく医薬品に係る承認・認証や農薬取締法の規定に基づく農薬に係る登録のように厚生労働省等による販売承認まで時間がかかる場合に、その間の不利益を補填するために出願から原則20年の特許保護期間を最大5年延長できる制度です。

sponsored link

 

ジュネンティックは、2009年に、成分は同じですが7.5ミリグラムの用法・用量で追加承認されたため、特許庁に上限の5年までの延長を特許庁長官に求めましたが、特許庁が「同一の薬である」として退けたことから特許庁の審決の取り消しを求めていました。

 

上告審判決では「追加承認で初めて可能となった治療方法がある」とし、知財高裁判決を支持しこの特許庁の審決を取り消す判決を出しました。

 

政府がジェネリック医薬品を積極的に導入しようとしているなか、先発医薬品(新薬)の開発会社にはプラスとなる判決です。

 

この判決により審査基準も改訂されることになると思われるので、医薬品業界関係者は要チェックです。

 

 

特許権の存続期間と延長登録出願についてはサイトにも基礎から説明してあるのでこちらの記事を参考にして下さい。
特許権の存続期間と延長登録出願
ジェネリック医薬品についてはこちらの記事を参照してください。
ジェネリックと

その問題点