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*この記事は旧ブログ「問題解決中」の記事と同じです。実際の日付は2年ほど前です。リンクを下さっていた方はこのブログのアドレスに設定し直してくださると助かります。

 

宮崎県立芸術劇場で2月5日から7日までの三日間上映予定だったオペラが、当該劇の著作権を管理するドイツの会社からの公演中止の要請を受けて中止しました。

いわきや神奈川での公演も中止が決定したそうです。

 

さて、三文オペラを書いたブレヒトは1956年に亡くなっていることから、三文オペラの著作権は日本では既に切れています。

ですから、著作権者の使用料を支払うこともなく、自由に上演できるのが基本です。

 

・・・しかし、著作権には「著作人格権」というものがあります。
特に著作権侵害訴訟で問題になりやすいのが「同一性保持権(著作権法20条)」です。

 

この権利は非常に強力で、著作者の死後にも残ります(著作権法60条)。

 

ですので、ブレヒトの遺族の許諾を得ずに勝手に改変して上演してはいけないのです。

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ちなみに、著作権法60条には「その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。」

 

とあるので、もしもブレヒトが「改変?やってやって♪好きに変えてくれて構わないよ」ということを言うようなタイプの人だったら、ブレヒトの死後においても遺族や著作権管理者が著作者人格権を持ち出してくることはなかったことでしょう。

 

なお、三文オペラはブレヒトの創作ですが、元ネタはジョン・ゲイの「乞食オペラ」です。
ですから、三文オペラは二次的著作物となります。
ジョン・ゲイはブレヒトよりもずっと前の時代の人ですので同一性保持権が問題になることはブレヒトに比べたら少ないでしょうが、油断は禁物です。

ところで、宮崎県立劇場では初日の舞台を中止した後、代わりに即興パフォーマンスを出演者全員で約1時間披露したという話です。

もしかしたら三文オペラよりも面白かったかもしれませんね。レアな出来事ですし、即興ですので二度と見れませんし。
なお、即興劇にも著作権は発生するので、「三文オペラの代わりに披露された即興劇です♪」として観客の人がスマホで撮った動画をユーチューブなんかにアップしちゃうと著作権侵害になってしまいます。