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昨日も記事にしたばかりなのですが、今日もテレビ局による同じような著作権侵害事件があったのでちょっと説明してみたいと思います。

バラエティ番組に真面目にいちゃもんつけるのもなんですが・・・(ー▽ー;

 

昨日(3月22日)に放映されたテレビ朝日系の情報番組で、藤井聡太六段が小学2年生のときに作詞した歌詞が藤井聡太六段本人の許諾を得ずに公開されてしまいました。

 

藤井聡太六段は小学二年生のときに、対局で敗れるとその悔しい気持ちをラップ調にして歌にしていたようです。その作詞はゴミ箱に捨てられたものの、祖母により保管されていたとか。

 

番組内ではその歌が番組のアナウンサーによりラップ調で歌い上げられていました。

 

これらの行為は著作権法的にどのような侵害になるのか説明してみたいと思います。

 

 

まず、藤井聡太六段が作詞した歌は著作権法で保護される著作物です(著作権法2条)。

 

そして、その紙はゴミ箱に捨てられたというのですから、藤井聡太六段本人としては、「公開」の意志はありません。外形的にはそう認識されます。

 

しかし、家族とはいえ他人が勝手にその歌を公開したことは著作者人格権である「公表権」(著作権法18条)の侵害に該当します。

 

ここで、なぜ勝手に公表するのが著作者人格権の侵害になるのかというと、著作物を公表するかどうかは著作者本人の意思に委ねられており、どんなに優れた作品でも著作者本人が公表したくないのなら他人が勝手に公表するのは人格を傷つけることになるからです。

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作詞された紙を盗んだのなら窃盗罪になりますが、無体財産である著作物を勝手に公表しているから公表権の侵害になるのです。

 

そして、テレビ局により勝手に公衆送信されているので、テレビ局は公表権を侵害しただけでなく、「公衆送信権」(著作権法23条)も侵害しています。

 

こちらは著作財産権の侵害になります。

 

ついでにいうと複製権(著作権法21条)も侵害しています。

 

 

というわけで、テレビ局により著名人である藤井聡太六段の様々な著作権が侵害されているわけです。

 

昨日は、元アイドルと駆け落ちした大学生が女性に宛てたラブレターが公開されていましたが、これも同じく「公表権」の侵害となる行為です。

 

藤井聡太六段の件も昨日の事件も「時事の事件の報道のための利用」(著作権法41条)だからといって許される行為ではありません。

「報道の目的上正当な範囲内」に該当しないからです。

 

 

というわけで、テレビ局におかれましては、著作権の取扱には十分に注意すべきです。

「有名人だから」「みんなが知りたがっていることだから」「昔から行われていることだから」という言い訳は通用しませんよ・・・。

 

ちなみに、どんな場合でも公表されていない歌や手紙を公表してはいけないということはなく、「本人の許諾」さえ貰っていれば当然に許されます。