【弁理士が解説】Amazonで知的財産権侵害を通報されたら(商標編)

Amazonサスペンド、つまりアカウント停止はAmazonセラーにとって非常事態です。
なぜなら、アカウントが停止されるとAmazonで出品できないだけでなく振込保留中の売上金まで全額没収となってしまうのですから!!
このように、アカウント停止は売上金没収に加えてビジネスができなくなってしまうので、放置していると損害が大きくなるだけです。
そのため、知的財産権の侵害で通報されたらアカウントが停止されてしまう前に迅速に対応することが必要です。

では、まずは何をすべきなのでしょうか?

知的財産権の侵害※に関する警告がされた場合は、まずは警告内容をよく読みます。

※知的財産権の侵害とは知的財産権の侵害とは、簡単に言うと特許権や商標権、意匠権、著作権等、の権利を無権限(ライセンス許諾を受けていない等)の第三者が侵害することです。

でも、そもそも知的財産って何?という基礎的なことを知りたい方は私の知的財産説明サイトをご覧ください。150ページに及ぶ記事が載っているのでほぼ全ての知的財産権について網羅しています。このブログ自体も題名通り知的財産に関することばかりなので、このブログを読んでいるだけでも知的財産についてぼんやりとわかると思います。

 

知的財産権の侵害警告チェックポイント

具体的には、どんな権利(商標権か著作権かデザインかetc…)を侵害してしまったのか、そもそも本当に権利侵害をしているのか、苦情を申し立てた権利者との関係はどうなのか(ライセンスや製造許可、販売代理店契約を結んでいるなど)等をよく見ます。よくわからなかったらどうぞお問い合わせください。悩んでいる時間がもったいないです。
以下、知的財産権のうち商標権について解説します。特許権についてはこちらの記事をご覧ください。Amazonから知的財産権の侵害通報(特許編)

アマゾンに回答する際に、「私の調べた限りでは商標権の侵害ではありませんでした。」とだけ記載するのは避けてください。「専門家の判断を仰いでいない」ために無視されてしまうからです。
そして、「商標権についてどのような手段でご確認いただいたのか、或いはどのような専門家にお伺いしたのか等、詳細を審査部門宛にご連絡願います。」との返信がされます。
「どのような専門家にお伺いしたのか」と聞かれてしまうのは、自称専門家に尋ねる人がいるからです。自称専門家は無料で(酷い場合には有料で)相談に乗ってくれるかもしれませんが自分の言葉に責任は持ってくれません。
Amazonが期待する知的財産権の専門家とは、自分がした法律の判断に責任を持つことができる弁護士または弁理士です。
そのため、自称専門家の侵害判断を信頼してしまうと事態を悪化させることになります。

一方、専門家が署名付きで鑑定書を提出し回答するとすぐにアカウント停止を解除してもらえます。したがって、アマゾンから商標権の侵害警告がきたらまずは専門家にお問い合わせくださるのが最も簡易迅速に問題解決をできる方法となります。特許権の鑑定とは異なり安価に(全て込みで10万円以下)対応可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

 

さて、通報してくる相手についてですが、商標権者本人が通報してくることが多いと言えます。そして、勘違い等によって実際は商標権の侵害ではないのに通報するということも行われています。

一方、弁護士や弁理士から通報された場合にはこちらが本当に知的財産権の侵害をしている可能性が高いといえます。
しかし、弁護士や弁理士の判断が100パーセント正しいわけではないので、通報された場合には、お問い合わせください。

「知的財産権の専門家が判断を誤ることなんてあるの?」と思われるかもしれませんが、実は一定の場合には判断を誤ります。
正確には、依頼人から誘導されたというべきか・・・。最近流行っている一種の詐欺です。
詳しく書くと真似をする人が出てくる可能性があるので書きませんが、アマゾンセラー同士での争いに巻き込まれている(利用されている)弁護士・弁理士はいます。
自ら好んで悪事に加担する人もいますが・・・

以上より、通報されたらすぐに諦めるのではなく、迅速にお問い合わせください。

もしライセンス契約を結んでいる相手なのに何かの間違いで警告されただけならば、権利者と連絡を取り、苦情を撤回してもらってください。権利所有者からAmazonに撤回の申し立てがあった場合、元の状態に回復してもらうことができます。

他にも、あなたがブランド所有者である場合には、ブランド登録証明書のコピーと事業者免許または個人の身分証明書のコピーなどをアマゾンに提出します。
(提出書類に不備がある場合、再提出を依頼するための通知が届くことがあります)

上記の書類提出が難しい場合には、改善計画を提出することになります。
改善計画には、問題の根本原因とこの問題を解決するために実施した手順などを記載しなければいけません。

<改善計画に必要な内容>
・侵害を申し立てられている商品を販売した理由、または侵害を申し立てられているコンテンツをアップロードした理由、またはその両方の理由。
・今後、権利を侵害しないよう徹底するために講じた措置。
・今後、権利の侵害が発生しないよう、どのような対策をとるか。
・その他の関連情報。

何日もかけて必死になって書き上げてもアマゾンから却下されることもよくあります。
なぜなら、「知的財産権の侵害とならないことの説明が不明瞭で、主張を鵜呑みにできない」とアマゾンが考えるからです。

どうやったらアマゾンを説得できるか時間をかけてゆっくりと改善計画を立てるよりも、お問い合わせください。

なお、あなたのアカウントにログインしてあなたの代わりにダッシュボードから対応したり電話対応することも可能です。

私はAmazonセラーではないので、あなたのアカウントにログインしても情報を利用して自分の商売に利用したりしません。ご安心ください。

 

他者のブランドの無断使用だけでなく、画像の流用なども知的財産権の侵害となりますので、不安な方はお気軽にご相談ください。