弁理士試験においては、稀に「悪問」が出題されます。
これは、ひっかけ問題に近いもので、本当の知識を試しているというよりもひっかかることを狙っているような感じで私は個人的には好きではありません。
どのような問題が悪問かというと、例えば平成30年度の意匠法の問題9のイのような問題です。
ここでは、「実施」に該当しないものはどれか。として、
甲は、登録意匠と類似する意匠を創作し、性能を評価するためにその試作品を1つ製造した。
この行為を「実施に該当しない」としています。
この問題では「性能を評価するために」という文言が、意36条で準用する特69条1項との混乱を招いているように見えます。
この文を除いて読んでみてください。
甲は、登録意匠と類似する意匠を創作し、その試作品を1つ製造した。
これは実施になりますねよ。製造しただけで意匠の実施になります。
ただし、「性能を評価するために」実施した場合には、意匠権の侵害にはなりません。
この問題、上で見たように文言を切り分けて考えれば簡単なのですが、続けて一文にされると混乱してしまいます。
しかも、「いくつあるか問題」です。
こういう出題止めてほしい・・・
しかし、過去に出題されてしまったことから、弁理士試験受験生におかれましてはしっかりと学習しておいてください。