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企業や事務所でホームページを持っていない方が珍しいほど、今ではホームページの存在はありふれています。

 

しかし、社長や事務所長自らがホームページを管理せず、従業員にサイトメンテナンスやブログ更新を任せている場合も多いと思われます。

 

そのような場合に、従業員の管理ミスで、とんでもない事態を引き起こすこともあります。

 

そこで今日は、従業員への著作権教育の必要性についてお話しようと思います。

 

*この記事も旧ブログの記事です。

今年の4月に、アマナイメージズというストックフォトの会社が、自社の有料写真を無断使用した大阪の某法律事務所に損害賠償を請求し、勝訴しました。

 

かつては、写真や画像を無断使用された被害者(著作権者)が加害者の故意や過失を立証しなければいけなかったのですが、この判決によって、加害者が無断使用した事実さえ立証できれば、加害者側で「著作物の権利関係について調査・確認をしたぞ!」と立証しない限りは損害賠償責任を免れないことになりました。

 

つまり、今まで高かった被害者の立証責任のハードルがかなり低くなったことになります。

 

これにより、今まで画像の無断使用に悩まされていた写真家やイラストレーターは救われることになります。

 

これまでは、加害者が「この画像は他のところから入手したんだ。お前のところから取ったわけじゃない。」と言い逃れをすることが多かったわけですが、他サイトで入手したわけではないということを証明しなくても、被害者の救済が図られることになります。

 

インターネットでは、画像の無断使用についての証明が難しいので画期的な判決です。

 

ところで、この判決、2つの意味で興味深いです。

 

一つは、著作権侵害をしているという意識が低いままに他人の著作物を無断使用していた人に意識の改善を促したということ。

 

これは、職業として画像を利用するweb製作者やクリエイターにとどまりません。

 

まとめサイトのキュレーターやブロガー、Twitterユーザーやインスタグラムのユーザー、つまりインターネットを利用する全ての人に著作権を意識させることになるでしょう。

 

もう一つは、敗訴したのが弁護士事務所ということです。

 

だって、弁護士事務所ですよ。法律の専門家じゃないですか!そんな弁護士事務所が著作権侵害をして、しかも敗訴です。

ブランドに思いっきり傷が付いてしまいました。

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では、なぜ弁護士事務所が著作権侵害行為をしてしまったのか。

 

これは私の予想なのですが、多分、弁護士さんたちは関係ありません。

 

法律事務所で雇われていたweb制作に詳しい弁護士ではない人が事務所のホームページの制作を任され、それっぽい画像をアマナイメージズで見つけて勝手に使ってしまっただけでしょう。

 

web制作をしている人たちは、著作権に詳しいわけではありません。

 

でも、有料写真を勝手に使ったら著作権侵害になるという認識くらいはあったはずです。

 

それでも無断使用してしまったのは、
「みんながやっているから」ではないでしょうか。

 

インターネット上では、画像の無断使用が当たり前のように行われています。

 

ですから、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の精神で著作権侵害をしてしまったのでしょう。

 

もちろんこれも私の推測に過ぎませんが・・・。

 

ウエブデザイナーの中には、有料画像を無料で使用するために、有料画像に入っているウオーターマークを消し、画像を左右反転して使う人たちがいます。

 

そうすればバレないと思ってしているのでしょうが、実は割りと簡単にバレます。

 

Googleの画像検索の精度はかなり高く、加工画像から元の画像を探し当てることが出来ます。

 

五輪のエンブレムの著作権侵害で有名になった(?)佐野研二郎氏のパクリの元画像もこの方法によってたくさん見つけ出すことができました。

 

というわけで、ウェブサイトをお持ちの企業や事務所では、社長や事務所長本人だけではなく、内部や外部の従業員の著作権侵害にも目を光らせておく必要があります。

 

「従業員が勝手にやったことで私は知らない」という言い逃れは出来ないので・・・。

 

しかも、普通の会社ならともかく、弁護士事務所や弁理士事務所で著作権侵害をしてしまったりしたら、それがたとえ従業員のしたことでも、法律を扱う事務所のブランドイメージの毀損は避けられませんから。

 

従業員にブログを更新してもらっている場合は、なるべく自分で撮った写真を使わせるようにすべきでしょう。

 

また、その場合には、肖像権の侵害にならないように配慮すべきです。

 

従業員の著作権侵害を避ける方法については以下の記事をご覧ください。

サイト制作を依頼した場合の著作権法上の注意点