弁理士試験合格後の転職法

弁理士試験に最終合格された方々、おめでとうございます!
合格後は転職を考える方も多いでしょう。
そこで失敗しない転職先の見つけ方について記事にしました。

良い転職先を見つける方法

①身内のツテ

この世で最も信頼できるのは血の繋がった家族でしょう。もちろんそうではない場合もあるので絶対とは言えませんが、配偶者や親はわざわざあなたを不幸にするような就職先を紹介しません。
良いか悪いかは別として、親の会社で働けという場合もありますね。

②求人を頻繁に出してない

求人サイトを見るたびに、同じ会社を見かけるようならば疑った方がよいでしょう。求人サイトでは広告を出す企業のブラック度やホワイト度なんてチェックせずにお金さえ出してくれれば求人広告を掲載します
そのため、求人サイトを見て転職先を選ぶ場合には、嘘やごまかしに騙されないように注意して見る必要があります。

③公募前求人に応募する

求人サイトなどに広告を出す前段階で応募します。ライバルが情報を知る前に転職できるので有利です。
でもこの方法で転職できるのは運とタイミングの良い人だけです。
以前ある特許事務所で弁理士が一人抜けることになり、「誰か良い人知りませんか?」と聞かれたのですが、ちょうどよいタイミングで新人弁理士さんがご連絡をくださいましたたのでこの公募前求人に応募出来ました。
一般企業とは異なり、特許事務所の場合には限定1〜2名という狭き門です。
なお、偽の公募前求人には注意してください。
偽の公募前求人かどうかを調べるには、ズバリ、同僚たちに聞いてしまえば良いのです。
そして、嘘だったら一度内定に承諾したとしても断ってしまいましょう。そんな嘘つき企業(特許事務所)に入社しても良いことはありません。
法律上、内定承諾後でも勤務開始日の2週間前までなら取り消すことが出来ます

④合格祝賀会で出会う

特許事務所の所長は、採用目的で合格祝賀会に参加します。そのため、合格祝賀会で話をして気が合った場合、後で履歴書を送るようにお願いされ、最終的に転職することもあるでしょう。
注意したいのは、ハロー効果によって惑わされないことです。
合格祝賀会の会場はホテルなど大きくキレイな広間で行われます。食事もゴージャスなので、開放感もあってついつい気が緩んでしまいます。
そんなときに浮ついた気持ちで人生の重大な選択をしないように、必ず勧誘されても家に帰って冷静になってその事務所の調査をしてから決めるようにしてください。

また、プレゼントをもらったら返報性の原理により、つい相手の期待するとおりに動きたいと思ってしまいます。たった数万円のプレゼントのお礼として数千倍の価値のあるあなたの労働力を安易に提供しないでください。合格祝賀会は海老で鯛を釣る場でもあるのだと心得てください。

⑤すぐ働いてくださいと言われない

転職を決めても引き継ぎなどがありますから通常は転職するまでに数ヶ月かかります。1年かかることもあるでしょう。
面接後即日内定、来月から転職というのはあまりにも早すぎますので注意をしたほうがよいかもしれません。応募者に考える時間を与えないための策略かもしれませんから。

⑥規模に騙されない

一般企業は大きければ大きいほど良いと考えられています。しかし特許事務所は必ずしも大きいから良いとは言い切れません。オフィスの美しさやホームページの綺麗さ、規模の大きさといった表面的なものに惑わされないでください。

転職前にチェックすべきこと

①働いてる人の疲れ具合

抜き打ちで企業や特許事務所を見学に行きましょう。
業務が終わる時間を見計らって行くのが良いでしょう。
ただし、年末や年度末など繁忙期はどこも忙しいのでその時期は外してください。

②労働時間と年収と待遇

年収がアップしても労働時間が激増していては意味がありません。しっかりと確認してください。
フレックス制度の場合にはコアとなる時間があまりにも限定されているとフレックスの意味がありません。

③人間関係

これが一番大事かもしれません。事前に上司となる人たちと一緒に話す機会を設けてもらってください。

組織の規模が小さければ小さいほど重要です。特に所長の人間性は、働きやすさに直接影響してきます。
教えてくれる人がキツいタイプの人の場合、精神的に病む可能性があります。

リモートの場合には、上長からの管理が緩くなる場合とキツくなる場合の二通りがあるようですので、リモートなら絶対に大丈夫とは言い切れません。

④相性

③とも関係しますが、相性の良い人とだったら仲良くやっていけます。たとえば、上司が天才だけど口の悪い人だったとしましょう。素晴らしい明細書を書くがとにかく口が悪い。
こんな上司、嫌だ!と思う人もいるでしょう。過去にはその上司の元からたくさんの人が逃げ出していたかも知れません。しかし、上司の口の悪さを気にせず、「上司の天才的なテクニックを授けてもらおう」と考える人ならばうまくやっていける可能性があります。

最後に

インターネットが発達していなかった昔は「エイヤっ」で飛び込んで酷い目にあったという人たちがたくさん存在しました。
しかし、今では転職前にその企業の情報を得ることが出来ます。

転職という人生の一大事に手抜きをして回り道をするよりは、事前に調べられることを調べ尽くしてから転職しても良いのではないでしょうか。
特に、特許関係情報は公開されています。上長がどのような明細書を書いているのか見ることができるのです。事務所のメインクライアントを知ることも出来ます。その他様々な情報を得ることができるので、転職に成功したかったら手抜きをしないことが大事です。

また、スキルを身につけたら転職したり、転職後にまた戻ってくることもできるのです。

一度就職したらそこから離れられないと考えるのではなく、柔軟に、「今はまず明細書の書き方と中間処理を覚える。できるようになったら今度は今の事務所では出来ないことに挑戦できる事務所へ行く。または独立する」と考えても良いと思います。