企業非公式アカウントやアニメキャラなりきり垢作成の危険性

Twitterでは個人のアカウントの他にも企業や団体のアカウントも多数存在します。
新製品情報やイベントについて淡々とつぶやいているアカウントもあれば、”中の人”のキャラクターを思い切り出したアカウントもあります。
運用に成功してフォロワー数が数十万を超える人気アカウントもあれば途中で運用をやめてしまうアカウントもありますね。
中には、企業アカウントとしてはアウトな発言をして炎上してしまう例もあります。

このように、SNSの運用というものは、注目をあつめることができるというメリットもある反面、敵を作ってしまい逆ブランディングになってしまう虞れもあります。
考えなしに安易にSNSアカウントを運営して逆ブランディングをしてしまうよりは、やらないほうが良いということもあるでしょう。

さて、上述したように”逆ブランディング”になってしまう心配もあるSNSですが、これって、考え方を変えれば「都合の良いこと」となります。

すなわち、嫌いな人や企業がいた場合、なりすましアカウントを作って、いかにも公式がしそうな発言を繰り返して一般人を信じ込ませ、ある日突然爆弾発言をして大炎上を招くことも可能です。

有名人ではなく、身近で嫌いな人(学校の同級生や職場の人など)の実名アカウントを勝手に作り(プロフィール画像にもその人の写真を使い)、その人が言いそうなつぶやきにプラスして、問題発言をすることによりその人の社会的名声を貶めることも出来ます(たとえば、同僚の女性従業員を装って「パパになってくれるお金持ちのおじさまを募集しま〜す」など)。

実際に、過去には芸能人のなりすましアカウントを作って炎上させた人の例もあります。

また、嫌いな人の社会的評価を貶めることを目的とするわけではなく、「有名人の著名性にタダ乗りして注目を集めることを目的としてなりすましアカウントをつくる」という手法は実に多く行われています。

たとえば、ちょっと調べただけでも東レや村田製作所などTwitterアカウントを持っていない企業のなりすましアカウントをたくさん見つけました。

なぜこのような「有名人や企業の評価を落とすわけではないなりすましアカウント」も好ましくないのかといえば、「そのアカウントでアフィリエイト目的の記事に誘導(たとえば、女優が化粧品をお勧めする等)」したり、「フォロワー獲得のために有名人の名前を借り、途中から名前を変更して他者にアカウントを売る」ことが出来てしまうからです。

フォロワー数だけは多い面白くないアカウントがあったとしたら、このようなアカウントを購入したと考えて良いでしょう。
他者の著名性に便乗してフォロワーを増やしたアカウントは、フォロワーチェックでチェックすると「質が良いフォロワー」と認識されてしまうので売買目的の便乗アカウントは一向に減りません。

以上見てきたように、Twitterのなりすましアカウントというものは、相手の評判を貶めるというネガティブな目的でも相手の名声に便乗するという目的でも好ましくありません。

もし発見した場合には、Twitterの歯車アイコンをクリックして通報することが出来ます(本人でなくても可能です。また、通報する人数が多いほうが効果的です)。Twitter社は検証後、そのアカウントを凍結してくれます。

ちなみに、なりすましをされてしまった場合には、本人である場合、法的措置を採ることが出来ます。
具体的には、なりすまし犯のIPアドレスの開示を求めることから始めます。

相手に慰謝料を請求するまでに6ヶ月近くかかることもありますし弁護士費用も必要ですが、一度ネット上で悪い噂が流布されてしまった場合、ずっと残ってしまうので、毅然とした態度をとったほうが良いでしょう。

また、低廉な弁護士費用で請け負ってくれる弁護士も存在するので、そのような人にお願いすると良いでしょう。

過去にTwitter上でトラブルに巻き込まれた方から相談を受けたことがあるのですが、その相談者様の日頃の発言はとても誠実でどうしても助けたいと思ったので知人弁護士をご紹介したことがあります。弁護士二人がかりで相談に乗ってくれたにもかかわらず請求金額は弁護士一名分しか請求せず、しかもその料金は非常に低廉だったので助かりました。

社会正義のために力を貸したいと考えている弁護士さんの力を借りることが出来ると心強いと思います。
(なお、弁護士を紹介した私には一円も入るわけではないので、私も「正しい人が救われる」ことに加担したいという気持ちからしたことです。「安く請け負ってくれる弁護士を紹介してください」と言われても紹介できません)

なりすましアカウントで他者の信用を貶める発言をした場合、名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)が成立することもありますので、くれぐれもなりすましアカウントなど作らないようにしてください。

不正競争防止法に該当することもありそうです(「他人の商品等表示」)。

 

社会情勢に便乗して信じてしまいそうなフェイクニュースを流すTwitterアカウントなんて最低です。

たとえば、先程BBCニュースを騙っているのですが異常にフォロワー数も少なく明らかになりすましのアカウントを見つけました。

BBCにはぜひこのアカウントの作成者を追及してほしいです。

 

ところで、「明らかに公式じゃないなりきりアカウント」の場合はどうでしょうか。

たとえば、漫画やアニメのキャラクターのなりきりアカウントです。
運営するのはすごく楽しそうです。
ただし、そのキャラクターは言わなそうなことを言ってしまうと炎上してしまいそうです。

 

例としてこんなのを考えてみました。

例①

ミカサというアカウント名で、「今日のエレンも素敵だった・・・。私はエレンのために生きる」「パンをほうばっているときのエレン、可愛い」と毎日つぶやいていたのにある日突然「株価暴落!うぎゃー!」とつぶやいてしまう。

例②
日向翔陽というアカウント名で、「今日も楽しかった!明日も頑張る!」「俺も月島くらいデカかったらなぁ」とつぶやいていたのに徐々にキャラが崩壊していって「影山ムカつく!一緒に帰ろうって言ったのに俺のこと無視して帰った!マジ卍(死語)」とつぶやきだし、終いには「バレーボールでダイエット!烏丸式ダイエット方法はこちら!今なら5000円。限定発売!」と有料noteを売り出す。

 

この手のなりきりアカウントは原作へのリスペクトを忘れなければ見逃してもらえそうですが、危険な匂いがしますね。