Trizでは技術進化のトレンドで「市場の進化」を以下のように規定しています。

一次産品 ⇒ 製品 ⇒ サービス ⇒ 経験 ⇒ 移転

 

つまり、ものよりもコトに価値が移行して行きます。

 

手に触れられる物体よりも、形のないサービスや知的財産の方が価値があるのと似ていますね。

 

具体例をあげてみましょう。

 

まず、一次産品として材料である鋼やアルミニウムがあげられます。

次にこれが加工されて製品である自転車になります。

 

さらに、自転車レンタルなどのサービスになります。

 

そして、旅先で自転車に乗って観光地を巡るという経験になります。

 

自転車ではなく、値段もサイズも大きい自動車だった場合には、この傾向がより顕著になります。場所も維持費もかかる「物」よりも、好きなときに自動車に乗れるという「コト」を重視する人がたくさん現れてきます。

 

実際、私は自動車は必要なときはレンタルすれば良いし、タクシーもあるのだから、自分の物として持ちたいとは思いません。
運転をすることが好きというわけでもないので、自動運転車が発明されたら、旅の過程を楽しむこともしないのではないかと思います。

 

顧客の期待は時間とともに増大します。

 

会社がその場にとどまれば(たとえば、「製品」を造っている会社なら製品を造り続ける)、より先のトレンドを取り入れている会社(たとえば、「サービス」や「経験」さらには「移転」)に追い越されることになります。
競争を勝ち抜くには、トレンドのより先を取り入れる必要があります。

 

メーカーである大企業に取っては「トレンドの先へ事業を転換する」ということはなかなか決断出来ないことだと思われます。

 

特に、過去に製品を売ってきてそれで十分に事業が成り立っていたので、今更別のことに手を付けたくなどないでしょう。

 

しかし、そこが落とし穴です。

 

今、日本中の、いえ、世界中のメーカーが壁にぶち当たっています。

 

事業をサービスや経験、さらには「移転」へ移行しなければいけない段階にきているということです。

 

しかし、世界を見渡すと成功している会社もあります。

 

たとえば、アップル。この会社はiPhoneという製品を売っている会社のように見えますが、実際は、「クールな気分」「かっこよさ」というサービスや経験を売っています。それらのイメージを意匠権や商標権という知的財産権で強固に守り他の追随を許しません。

 

日本の会社はiPhoneの部品を造っているだけなので、収益率はアップルに比べると非常に低くなります。

 

モノづくりに力を入れてモノを造っているだけだと、トレンドのより先のサービスや経験を提供している会社の下請けになってしまう可能性があります。

 

では、日本の中小企業はこの先、どうしたらよいのでしょう。

 

それには、「知財の活用」と「中小企業同士の連携」が鍵となってくると思われます。

 

「知財の活用」とは、会社の中に眠っている、またはこれから生み出される知財を最大限に活用するということです。

 

知財というと発明や著作権のようなものばかりかと思いがちですが、「顧客からのクレーム」や「売れなかった商品のデータ」といったものなど意外なものも知財です。

(私から見たら宝の山のような知財を「断捨離」と称して捨ててしまう会社もあるようです。勿体無い・・・)

 

こうした知財を持った中小企業が複数集まり、連携することにより、大企業に匹敵する、または大企業以上の力を持った存在へと変貌します。

 

これからの時代は、ずっしりと構えた大企業よりも、知財を備えた柔軟で機敏な中小企業が牽引することになるでしょう。

 

もしあなたの会社がモノづくりをしていて、「変化」を厭わないのなら、ぜひこの「知財の活用」と「中小企業の連携」を視野に入れてください。

 

手を動かすことだけが仕事ではありません。
頭を働かせることにより、より効率的に収益があげられるようになります。

 

こちらの記事も参考になると思います。
中小企業の知財活用法