インターネットの発達した現代では、プロとアマチュアの境がなくなっています。
誰でも自称した途端に小説家や漫画家になれてしまいますし、youtuberやブロガーになるのなんて一瞬で可能です。

 

つい半年前まで普通の女子高校生だった伊原六花さん(登美丘高校ダンス部の元キャプテン)がyoutubeへのバブリーダンス動画の投稿をきっかけに芸能界デビューしましたし、本当にプロもアマチュアも紙一重だなと思います。

 

これからはyoutuberはどんどん現れ(そして消え)、ネット漫画も更に読まれるようになると思いますし、「質」さえ良ければプロの肩書なんて必要ないですね。

 

ということは逆に言うと、たとえプロの肩書があっても質が低い場合は淘汰されてしまうわけですが。

 

プロにとっては恐ろしいですが、良いことです。

 

さて、その昔、「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)」[PR]
という本を読んだことがあります。
ベストセラーになった本なのでお読みになったことがある人も多いと思います。

 

この本は、様々な事例を示して、専門家の意見よりも、意外と素人の意見の方が正しいことがあるということでした。

 

これは正にその通りだと思います。

 

その道のプロになると、あまりにも基本的なステップを忘れてしまい一気に結論を導き出してしまうことがあり、それが重なると重大なミスを犯すことも多いからです。

 

ただ、みんなの意見は「案外」正しいのであって、基本的には専門家の意見のほうが正しいと考えたほうが良いのではないかなと思っています。

 

たとえば、昨年度話題になったwelq問題。健康・医療系キュレーションサイト「WELQ」は不特定多数のライターによって記事が書かれていましたが、その内容の信憑性に問題があり、また、他のサイトをリライトするなど著作権侵害もしていました。

welqの記事の質はかなり低く、医師ではない人が、ある症状についてこうすべきと断言するなどかなり危険な記事でした。
命に関わることもあることから、welqは閉鎖に追い込まれたわけですが、welqほどではないにしても怪しげなサイトはまだたくさんあります。

 

「おばあちゃんの知恵袋」というように昔ながらの知恵を紹介する程度なら良いと思うのですが、医療に関して多分に主観的なことを書いた場合には発信者としての責任を持たなければいけないと思います。

 

もし責任を持てないのなら書いてはいけない。そう思います。たとえ免責を設けていたとしても。

 

匿名で意見を述べるときもそうです。

政治や宗教などデリケートな話題ほど加熱しやすく危険です。フェイスブックのように実名で意見を述べるときにも簡単に炎上しているのですから、匿名で無責任に発言するときには発言が過激になりがちです。

 

そして、そんなときこそ、「実名でこの発言をできるか」ということを考えて発言しないと事件に発展するほど恐ろしいことになると思います。

 

匿名で利用できる掲示板やコメント欄には思いつきをそのまま載せている人が大勢います。
よくあるのが、一番最初にコメントした人の意見に引きづられて、二番目以降の人も同じような意見を書いてしまうというもの。

 

声が大きい人や権威を持っている人の意見には引きづられやすいものですが、だからこそ、考えなしに発言するのではなく、実名が明かされても自信を持って言えるほど発言には自信を持ちたいものです。

 

ちなみに、医療とは違う分野ですが、法律についても迂闊な発言は控えなければいけないと思います。

 

ネット上の質問投稿サイトを見ていたら、「この場合は著作権侵害になりますか?」との質問に、何の根拠も無く、堂々と「著作権侵害とはなりません」または「著作権侵害となります」と答えている人がいました。

 

これは、法律家だったら絶対にやらないことです。法律家は根拠条文に基づいて答えを導き出すことを徹底的に教え込まれます。

「何となくみんなこんな風にしているから、こう」という風に曖昧な判断はしません。

 

しかし、ネット上では法律家ではない人がテキトーに答えている例が多数あります。

 

これでは、読んだ人が信じてしまうので問題のある行為だと思います。
実際、質問をした人もその答えにお礼を言ってベストアンサーに選んでいましたし。

 

最初に述べたように、プロとアマの境がない現代では、「質」が求められています。

 

質問投稿サイトでは、この「質」が満たされていません。
誰でも発言できる分、間違いだらけです。

 

ただし、弁護士や弁理士が答えるなら知的財産に関する法律について間違いはないだろうと考えるのも早計です。ネットを見ていると、弁護士が間違ったことを書いている記載に出会うこともありますから(そしてしばらく後に見てみると記載が削除されていたり訂正されていたり・・・。なお、法律全般に関しては圧倒的に弁護士の方が詳しいです。私もよく弁護士の友人に質問しています)。

 

弁理士なら滅多に知財に関する質問について間違いはしませんが、著作権法についてはそもそも興味がない人が多いのではないでしょうか。

 

というわけで、質さえ良ければ発言した方が公共のためになりますし、質に自信がなくても素人目線で意見を述べるということもまた役にたちます。

 

・・・で、何を言いたいのかというと、登美丘高校ダンス部のパフォーマンス、面白いよね!ってことです。超上手いし表情まで面白いし見てて元気がでるから大好きです。
以上!(笑)